オールドノリタケ

 

そごう横浜美術館のオールドノリタケ×若林コレクション展に行ってきました。デパートの一角の美術館ですから展示面積は、それほど大きいものではないですが、十分見ごたえがありました。なぜなら、作品を鑑賞している上で考えさせられることが数多くあり、見に行って良かったと思えたからです。また、それが自分の作業の励みになりました。

 

正直、最初の頃の作品は、歴史的な価値はともかく、色も暗く、美しくありませんでした。私が、もしこの作家であったら投げ出していたと思います。こんなこと言っては失礼かもしれませんし、オールドノリタケの初期のファンの皆様がいたら、まことにスイマセン。でも、まったく何も魅せられませんでした。


(ただし、今ネットで売られている多くのオールドノリタケは、ごくごく年代の新しいオールドノリタケです。初期のものはノリタケの名前すらないものです。)

 

しかしながら、作品を展示にそって歴史順に追っていくと、この会社に何回か転機が訪れたことが分かります。1つ目は、オリエンタルな風合いを取り入れて、有機的なアールヌーボーから、図形的な模様のアールデコが入ったところです。2つ目は、金色が黄土色から金色に変わり、とても華やかになったところです。3つ目は、コバルトによる紫の発色を取り入れて、金と紫の高貴な色が確立したところです。この段階になると、だれでもノリタケの作品だと分かり、とても魅力のある製品へと移り変わっていきます。どれを見てもかっこいいです。1脚有に50万から100万円くらいしそうなものもありました。

 

 

 

 

 (写真はカタログより)

あきらめないことが重要なのではと考えさせられました。


オールドノリタケは、もうすぐブームになり値段が跳ね上がると踏んでいます。