シーグラスをカットしてみる

 

海で拾ってきたシーグラスをカットしたり、磨いてみようと思います。理由は、シーグラスの可能性を広げようとしているからです。

 

実は、無加工のシーグラスで表現できることは限られるので、シーグラス作家さんの作品が似てしまう状況が生じています。中には、シーグラス・アートの作品で「真似した、真似しない」で係争になろうとしているケースもあります。これというのもシーグラスに対して、一切穴すらも開けてはいけないという言葉が一人歩きしている結果です。誰ですか?こんな事を言い出したのは!

 

加工、無加工の話は、無意味です。シーグラスをカットしたかどうかは、(シーグラスがガラスでできているので)顕微鏡でみても分からないのです。つまり、作品を公開している人の良心にすべて委ねられているのです。

 

たとえば、「こんなに粒のそろった同じ大きさのシーグラスなんてありえない、きっとシーグラスをカットしているにちがいない!」と思っても、売っている本人が同じ大きさのシーグラスを集めただけだと言ってしまえば、反論する証拠を作り得ないのです。つまり私は、自己申告でしかないものをシーグラスの定義にいれても無意味だといいたいのです。

 

今回、私はシーグラスを大いに加工してみようと思います。もともと海で拾ったシーグラスがこちらです。このように海で拾ったシーグラスは、大きさも砂で削られている度合いもまちまちなものなのです。

 

そこでまず、シーグラスの大きさを揃えるためシーグラスをカットしてみました。こちらです。

 

 

こちらを次に、バレル研磨機にいれて磨いてみます。1500番の炭化ケイ素(SiC)を使い、下の写真のようにセラミックのメディアを入れて磨きます。

 

磨いた結果がこちらです。

磨く前とそっくりですが、失敗ではありません。カットしたところが丸みを帯びて、砂で削られて白くなっているように見えます。

 

 

ここで重要なのは、バレルに入れる前と後で、変化せず同じように見えることなのです。つまり、海で削ったことと、SiC1500番で削ったことは見た目が分からないほど似てしまうのです。

 

例えば、誰かがシーグラスをカットしてハート型にして、さらに1500番で磨いてしまうと、海で偶然ハート型のシーグラスを見つけたことと同じになってしまいます。(もし、そういう作家さんがいるにであれば、必ず売るときにはカットしたとお伝えくださいね!)


次回は、海で拾ったシーグラスをバレル研磨してみます。