父は次の診察で緩和ケアの先生に
繋がるはずでした。
主治医の先生も

今の様子だと
20日先でも大丈夫って
思っていたのだと
思います。

でも違いました。
あまりの弱っていくスピードに

20日先まで
待てませんでした。


父が亡くなる3日前

勇気を出して
病院に電話をしました。


今すぐにでも
在宅の緩和の先生に
繋がりたいと

ほとんど食べられないし
起きていられないし
うんちも黒いし
早く見てほしいって。

在宅の先生は
次の日の夜の7時に
来てくれました。

どうですか?と聞かれて父は
よそ行きの声で
(もう死にかけています)って
はっきり
半分冗談めかして
答えていました。

先生からは

血圧も酸素も
心拍も
まだしっかりしていて
今の症状は
癌というより、消化器系の出血だと
言われました。

ショックでした。
癌の終末期だから
こんなに弱ったと思い込んでいました。

亡くなる前は
黒いうんちをするって
思い込んでいました。

父に
去年とおんなじ胃潰瘍やって。
だからこれを治したら
元気になるよって言えば
とっても嬉しそうに
うなづいてくれました。

あかりが見えた気がしました。

帰りがけ、
帰るね〜って言うと

布団の中から
手を振ってくれました。


これが最後のバイバイに
なりました。
この時
次の日に
いなくなるなんて
思ってもみませんでした。

胃潰瘍なら、治るって

かえってホッとした感じでした。

もし、もっと早くに胃潰瘍と
誰かが早く気付けば
あと数ヶ月は生きれたのではないかと
ごめんなさいの気持ちで

いっぱいです。


父も私も

病院に行けば

もう帰れないのではと

そればかりを気にして

動けていませんでした。