母は93歳。

一緒に旅行に行ける日も、
そんなに長くあるわけではありません。

長男が休暇を取れる夏休みに、
車椅子の母と兄を連れて、
長男と私の4人で
露天風呂付きの旅館へ行く旅行を
計画していました。

日曜日に出発する予定だった、
その直前の金曜日。

母から
「転んだ〜」
と電話がありました。

デイサービスの帰り、
家のアプローチでふらつき、
手すりに脇腹をぶつけたというのです。

どうしてデイの職員さんが近くにいるのに……
と思ったのですが、

母がアプローチの下で
「ここでもういいです」
と送りを断ったそうです。

私には頼りきりなのに、
外では「一人でできます」と
言わんばかりの行動をする。

その後始末をするのは、
いつも家族です。

病院での診断は肋骨の骨折。

足腰が弱くなったとはいえ、
どうしてこんなに怪我ばかりするのだろうと、
悲しくなりました。

50歳の頃から、
母はどれほど怪我をしてきたことでしょう。

本当に、どうしてなのでしょう。

しかも母は、
「キャンセル料を払いたくない。」
「自分も行ける。」
と無理を言い出します。

けれど、痛みには勝てませんでした。

一度は自宅へ戻ったものの、
その夜、痛みに耐えられず再び受診し、
そのまま入院となりました。

こんな時に旅行へ行っていいものか。

本当に悩みました。

でも、病院にいる方が安心だと考え、
予定どおり、
残る3人で旅行に行くことにしました。

結果として、
車椅子の兄を2人でサポートすることで、
思っていた以上に負担を分け合うことができ、
お互いに無理をせず、
楽しい時間を過ごすことができました。

母のことは、
退院してからまた考えることにします。

介護をしていると、
予定は本当にあっけなく変わります。

それでも、その時その時で悩み、
考えながら、
できる選択を重ねていくしかないのだと、
改めて感じた出来事でした。