■ 止まらない乱高下 市場センチメント 傷つきやすい局面に
(05/24)
5月23日の東京市場は大揺れだった。
日経平均株価は前日比1143円28銭安の1万4483円98銭へ暴落。
下落率7.32%で、これまでで10番目の大きさといえ、ITバブルが崩壊した2000年4月17日以来13年ぶりの下げ幅。
その後も、マーケットは安定感を取り戻すことができず、乱高下が止まらない。
日本株はいったん自律反発したものの、後場は再び急落。
ドル/円や円債先物も大きく上下に振れている。
アベノミクス期待からの、過熱感を一気に解消するような急落で市場センチメントは大きく傷つき、荒れやすい展開になっている。
( ロイターより抜粋 )
日本発の世界同時株安は米市場でいったん食い止められたが、翌24日の東京市場は再び乱高下する展開となった。
日経平均は朝方、500円高まで上昇したが、後場は500円安まで急落、その後再びプラス圏まで戻るなどトータルで1500円以上の値動きをみせた。
前日と同じように目立った材料があったわけではなく、短期筋とみられる大口の注文をきっかけに、各市場で連鎖的に下落や上昇が加速した。
自動的に売買を執行するアルゴリズム取引が動きを加速させている面もあるが、
「前日の急落で市場センチメントが不安定化しており、押し目買いも厚く入るが、売りも殺到しやくなっている」(東洋証券・シニアストラテジスト)
ことも、乱高下の背景にあるという。
現在の金市場のように一度大きな急落を経験すると、なかなか元に戻らないのがマーケットだ。
先行き明るい展望を描き続けているなら、押し目買いのチャンスになるが、投資家は
「上昇過程で忘れていた下落の恐怖感を思い出した」(国内証券)
ことから、新たなるリスク積み増しに慎重になってしまう。
まだ、日本株を買えていない海外の長期投資家も多く、長期的には買いは引き続き入ると期待されているが、連日の乱高下を嫌気して、いったん様子見となる可能性もある。
黒田総裁率いる日銀への期待感も若干ながら後退しているという。
21─22日の日銀政策決定会合では政策現状維持で、市場の予測通りだったが、景気回復にともなう金利上昇であれば容認するのではないか、との疑念は晴れなかった。
また金利上昇を嫌気して急落したJ-REITの日銀の買い取り枠は残り32億円しかないが、その拡充はみられなかった。
「黒田総裁は、財務官時代に為替介入をとことんやった。金融緩和もとことんやると期待していた海外勢の期待はやや揺らいでいる」(国内投信)との指摘もある。
市場センチメントは傷ついたままで、長期金利は日本株と連動するように乱高下している。
朝方の現物取引では、ビッドとオファーが大きくかい離する状態が続くなど、
「短期筋による先物売買が主体のため、株価・為替動向をにらみながら値が飛びやすくなっている」(国内証券)という。
ドル/円も日本株に引きずられやすくなっており、荒れた展開だ。
「日本株急落とともに円安局面はいったん終了した」(外銀)、
との声も出ているが、三菱東京UFJ銀行のアナリストは、株価急落では円安基調は崩れないとの見方を示す。
「なぜここまでドル高/円安に振れたかと言えば、世界的に株が上がってリスクオンだからものすごく円安になっているというわけではなく、あくまでも日本側の国際収支とインフレ期待が円安の原動力。
米国の景気期待やFRBがQE3を絞るのではないかというドル高の要因よりも、やはり円安の要因の方が強い」と指摘している。
日経平均は昨年11月半ばからほとんど調整がないまま84%上昇しており、連日の急落も過熱感を解消するための適度な調整との強気な見方も依然多い。
ところで、一般的に、みな、材料で株価が上がると思っているが、最近の相場は違う。
材料で上げるのではなく、個人をまき込む算段として、材料を利用して大口が大量の買いを入れる。
すると、材料で上がったと思った個人が買いに走る。
そして、ある程度、個人で上がったところを大口が売り浴びせる。
その売り浴びせた売り物をまだ上がると思った個人が買ってしまい、高値づかみとなるのである。
これだけ乱高下が激しいのは、実態がない中、投資家が期待感と焦燥感にかられているからだろう。
要は、バブルということであり、いずれは元のさやに戻るのが自然の流れ。
バブルがどこまで続くにしても、投資をするなら、市場に合わせて動くしかない。