ご存知、谷崎潤一郎さんの大作であり、名作です。
私がこの作品をLOVEなところは、まず、
単に恋愛小説ではなく、人間ドラマであるところです
戦後の混乱が背景にあって、
伝統と近代化の狭間に翻弄される登場人物たちがいて、その姿はまさに、日本🇯🇵の古き良き価値観と新しい時代の息吹が交錯する様子を表していて、女性たちの生き方や結婚観の変化など、普遍的な人間理解のテーマ にゾクゾクします。
ちなみに朗読劇が初めての方は、声だけ? 読むだけ?と思っておられるかもしれませんが、ご心配なくです☺︎
花道も歩きますし、ステージの上でみなさん出ていますし、舞台上はもう完全に美しい〜〝細雪〟の世界観になっていると思います。
役作りについても、もちろん原作のイメージのそれぞれの
お着物、髪結などの装い、話し方なども 谷崎潤一郎さんの描かれたようにできるだけに近づくようにつとめようと思います☺️
小説の中では、私演じる 長女・鶴子は姉妹の中で一番背が高く、姉妹の母親似の日本風な顔立ちの長女だと書かれています。三女の雪子も和風で古風な美人、
そして次女の幸子と、末っ子の妙子は洋装も似合う派手な美人さん。
呼び方について、
これは昔の関西文化の独特な言葉なのですが、長女のことを 昔は おおいとさん と呼びます。略して〝いとさん〟とか〝いとはん〟ですね。小説の中では,妹たちは 鶴子のことを姉ちゃんと呼びます。
そして
真ん中のお姉さんのことを、昔は、なかいとさん 。
これが細雪では〝なかあんちゃん〟
次女の幸子の呼び名ですね。
一番下の娘さんのことを、昔は、こいとさん 。
略して〝こいさん〟と呼んでました。
なので細雪では、四女の妙子のことです。
三女の雪子のことは、〝きあんちゃん〟です。これは雪姉ちゃんが 略されたのですね。
長女である鶴子は 雪子のことを〝ゆっこちゃん〟と呼んででいます^_^
私がつとめる 長女・鶴子は、お婿さんを取り(養子)、大阪 船場にある本家を継いでいます。しきたりを重んじ、蒔岡の家名を守る使命感に満ち溢れているため、ときに、妹たちから煙たがられることもあります。
でもそれは、亡くなった父の代わりに長女である自分がしっかりしなければ、という【旧幕時代から続いた姉妹が愛する家を守ろう】とする責任感がそうさせてしまうのです。
ひとつにことに必死になって周りが見えなくなるところがある鶴子はとても人間的です。
でも物語が進むにつれ、鶴子は良き妻なのだということがわかってきますし、そして、母親代わりに妹たちの幸せを誰よりも思う愛情深い姉なのです。
そして、私が大好きな場面は、終盤の鶴子夫婦の会話です。そこでの鶴子の言葉はとても感動的✨で、鶴子にこの言葉を言わせたのは、養子である夫の彼女に対する愛と理解。。。
ここまでは、人間ドラマ の話をしましたが、もう一つ、『細雪』の忘れてはならない魅力は、この作品の〝美意識〟です。
日本人の美への憧憬が宝箱のようにつまっていて、
それが作者である 谷崎潤一郎さんの独特の美しい文体、独特の船場言葉、で表現されているところがもうたまらなくて。。。
だからこそ、私たちの心に、深くしみこんで、今もなお、多くの読者を魅了し続けているのだと思います。
朗読劇 【細雪】
6月22日(土)12:00開演/17:00開演
6月23日(日)12:00開演
https://www.meijiza.co.jp/info/2024/2024_06_06/
村上弘明さん、
篠田麻里子ちゃん、土生瑞穂さん、村山彩希さん
崎山つばささん、中村莟玉さん、Raychellさん
と共に この作品を紡ぎたいと思います
ぜひ観に,聴きにいらしてくださいませ
の。