11月1日
古典に親しみ、理解を深める「古典の日」です。


本日、琳派の美や本質を語り合う


琳派400年記念
古典の日フォーラム2015” が開催されました。



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京都国立博物館文化大使としてのお務めです。



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国立京都国際会館メインホールにお集まりになった1800人の皆様の前で

琳派400年記念祭委員会を代表し

日本の美 宣言” をさせていただきました☺︎



《琳派とジャポニズム》の討議パネリストとして、
彬子女王殿下もいらしており、ご挨拶させていただきましたが

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討議では、河野元昭・京都美術工芸大学長を司会に、高階秀爾・大原美術館長や、評論家の山田五郎さんが19世紀欧州のジャポニズムと琳派の関係性を討議し、琳派の持つ内面性を語ってくださいました☺︎





私が着ている着物は、
京都府指定無形文化財保持者である、染色家の羽田登(はたのぼる)先生が、琳派をモチーフにして作られた作品です。


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この日のテーマにふさわしい着物で、
身も心もひきしまる想いでした☺︎


さて皆様、

今、京都国立博物館では「琳派 京を彩る」が開催され大変な人気となっています。もう行かれましたか?


琳派といって私がまず思い浮かべるのは、
やはり皆さんもご存知の、俵屋宗達の「風神雷神図」です。


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風神雷神図」というのは俵屋宗達の他に、

尾形光琳や酒井抱一という絵師たちもそっくりに描いています。


そして


この三人が活躍した時代は、それぞれ100年近くも離れています。それはつまり、

彼らが、100年も前の作品や美的センスを
きちんと見つめて再評価していたということなのだと思います。



最近では京都をはじめ、日本各地に、たくさんの外国人観光客が訪れていますが、

そんな今だからこそ、

私達日本人が持つ日本的な美意識を、もう一度しっかりと見つめなおす機会なのではないのかなと思います☺︎


今回の琳派400年記念祭などをきっかけに、

今一度、琳派に世界中の注目が集まり、少しでも多くの皆さまに、琳派”について、そして“今に生きる日本の美意識”について考えて頂くのは素晴らしい機会だと思いますし私自身も、少しでもそのお手伝いができればと思っております。



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それではここで、私が本日、読み上げました
日本の美 宣言」を載せますね。



琳派四百年記念「日本の美宣言」
 
「琳派は日本が創造した、世界に誇る最上の美である。」
このような呼びかけで始まった琳派四百年記念祭は、美と美意識をめぐる私たちの「日本の美」再認識のまたとない機会となりました。 

琳派は、室町末期からの長い戦乱がようやく終息し、平和な世の中が到来した時期に、光悦、宗達といった偉大な先達の活躍で始まりました。
うち続く戦乱や、政治と社会の混乱の中にあっても、美を求める心、王朝文化以来培われた美意識は脈々と生きており、それが江戸期の泰平と豊かさの中で花開いたのが「琳派」でした。先達に私淑する光琳、抱一ら後継者たちは、時代をこえて、その優れた芸術的営為に素直な感動と敬意を払い、時代を感受する鋭敏な感性と、表現への強い意欲を継承し、独自の美の系譜を形成してきました。それは、四百年にわたり、いまにいたるまで生き生きと受け継がれています。

琳派の作品には、伊勢や源氏、古今、新古今といった古典文学と、豊かな日本の四季や自然がモティーフとして多く採りいれられています。その本質は、室町時代以来、茶や華や能の世界で展開されたものと同一であり、我が国の芸術全般、生活文化の隅々にまで通底するものです。私たちは琳派のなかに、暮らしのすべて、衣食住のあらゆる側面にわたって美を意識し、洗練を極めようとする豊かな精神を見出だすことができます。琳派に代表される美意識は、私たち日本人の生き方そのものなのです。

世界は今また混沌の中にあり、生きることの意味や価値が大きく揺らいでいるように見えます。歴史と文化の豊かな蓄積を誇る我が国において、琳派に象徴される日本の美と美意識は、将来にわたるゆるぎない価値であり、精神的な支柱です。歴史の厳しい試練に耐え、美を愛で、美意識を未来に繋ぐことは、平和への希求に他なりません。

私たちは、琳派四百年の記念すべき年にあたり、多くの人々を魅了し惹きつけてやまない琳派の美と美意識を、日本と世界の平和を拓く精神の礎として次世代の人々に伝え、世界の各地で豊かな文化がさらに開花するよう、これからも支援を続けることを、ここに宣言します。
平成27年11月1日
         琳派四百年記念祭委員会


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各関係者の皆様、素晴らしい経験をさせて頂きまして、ありがとうございました。



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