今回の質問は題名の通り。

 

「バトル漫画や特撮ヒーローって、進むにしたがってインフレがひどくなると思いませんか?

 インフレしすぎて引いてしまうというか。

 シリーズが進むのにインフレしない(インフレがひどくない)作品あったら、ネタバレありで教えてください。」

 

 

ネタバレありで。ということなので、閲覧注意。

 

「インフレしないのは面白くない?」

 確かにバトル漫画やヒーロー作品はインフレの傾向がありますよね。

 徐々に強い敵が出てきて、それに合わせて主人公達も強くなる。これは仕方ないかもしれません。

 でも、インフレすることと面白いかどうかはイコールではないですよね。インフレしなくても面白い作品もあれば、インフレしてても面白い作品もある。結局は作者の腕がいいか悪いかによるのではないでしょうか?

 

 

「インフレしなくても面白い作品の紹介」

 

「特撮作品:イナズマン」

大昔の特撮作品「イナズマン」。この作品は最終回まで主人公がパワーアップしないので、インフレはしていないですね。

ただ、主人公が最初から異常に強いので、インフレしなかったというよりはインフレする必要がなかった作品といいましょうか。

主役のイナズマンが清々しいまでに強くて、見ていてかなり爽快な作品です。

 

 

「特撮作品:仮面ライダークウガ」

初代平成仮面ライダーことクウガ。この作品は正確に言えばインフレしてます。怪人が爆発する時の演出を見ていると、インフレ具合も凄まじいです。

が、主役のクウガがインフレしたパワーを発揮できるのは30秒という制限があるのに加え、怪人が爆発することで街中に被害が出るため、ラスボスの一歩手前の怪人と戦うまではインフレした姿で長々と戦えませんでした。

そういう意味では、クウガ以降のいつでも強い力を発揮できる仮面ライダーと違って、初期の姿で何とかがんばって戦わないといけないという「縛り」の作品です。

 

 

「特撮作品:ハリケンジャーやゴーカイジャーなど」

戦隊シリーズにも強化形態の存在しない作品がいくつかあります。

シンケンジャーやアバレンジャーのように、強化形態はあるけど、全員が一気に強化形態になれない作品もあります。

内容には賛否ありますが、インフレしなかったのが原因で面白くなかったというものではありませんね。

個人的な好みを語らせてもらえれば、シンケンジャーは面白い。最初期から劇中で毎朝特訓をしている光景があり、メンバーが次第に強くなっていく説得力を持たせていました。強力な武器が作られていき、敵も強くなっていきますが自然とそれに対処する力を身に着けていきます。ラストバトルでも初期装備で戦いますが、強化形態がなくてもラスボスと戦えるだけの説得力がありました。

強化される道具に頼るよりも、鍛錬で強くなっていく王道のヒーロー作品だったと思います(要所で強化形態になりますが)。

 

 

「漫画:コータローまかりとおる」

40年も前から連載されていたバトル漫画です。この作品も主人公のコータローが最初から強く、ある意味ではインフレしない漫画でした。

連載が続くにつれ、徐々にコータローのできることが増えていくのでインフレはしています。

が、この作品の珍しいところは、物語が進んだからと言ってその前に出てきた敵よりも強い敵が出てくるとは限らないところです。

大きくわけると3つのシリーズに分かれており、細かく分けると10部に分かれています。多くのバトル系漫画ではシリーズが変わると「さらなる強敵」が出てくるものです。

しかし、この作品では世界を巻き込んだ大きな展開を繰り広げた次のシリーズで、柔道の学内予選のシリーズが始まるなど、シリーズ毎に緩急がうまくつけられています。

強敵が出るのではなく、いかに上手に楽しませるか?という工夫がされており、いい意味で主人公達の肩の力が抜けているのがわかります。

 

 

「漫画:鋼の錬金術師」

こちらも主人公および、登場する人物の強さには大きな変動がありません(アルの覚醒くらいか?)。

第一話の時点で主人公の二人がかなり強い設定です。その強さを支えるのは、思い出すだけで震えがくる地獄のような修行です。

物語が進むにつれ、いろんなタイプの敵が出てきますが、個々の強さの上下は少なくおさえられており、インフレしていないと言っても良いと思います。

さらに、物語全体がひじょうに上手くまとまっていて、最終話にいたるまでの道筋にブレがなく、作品としても絶大な人気があった稀有なパターンです。

 

 

「アニメ:バジリスク」

小説とアニメがありますが、ここではアニメの話をします。

バジリスクはバトル漫画の面白さを上手く表現していると感じました。登場人物の強さの格差はありますが、それよりも個々の相性に重きが置かれており、強力な能力を持っていても相性の悪い相手にアッサリ敗北してしまう描写があります。

出てきたと思ったら退場!というスピード感と、いつ誰が倒されるかわからない緊張感があり、作者の見せ方がひじょうに上手いと思いました。

 

 

「まとめ」

今回紹介したのはごく一部です。

それぞれ特徴のある作品ですが、共通して言えるのは「インフレしてなくても面白い」。

強さを表現する手法はいろいろあり、それこそ「呟いただけで世界が破滅する」という設定も作れます。が、それが面白いか?と言われると難しい。

僕の好みでは、強さの規模よりも、その人物をどのように動かすか?そこにこそ面白味があると感じました。

逆に、雑な演出で作られた作品は面白いとは感じなかったですね。

もちろん、インフレしつつも面白い作品もたくさんありますし、僕もそういう作品をいくつも所有しています。