今年の夏頃、本屋でヘレン・ミアーズ著「アメリカの鏡・日本(完全版)伊藤延司訳を買った。

実はその前に、三豊市詫間町にある波打八幡宮の宮司吉田成隆氏が書いた神道なくして日本は語れるか:神と共に歩んだ日本の歴史という本を読んでいたのですが、その本の中でお勧めされていたのがヘレン・ミアーズ氏の本でした。しかしこの本、文庫版ですが400ページ超え…。

本を買った夏は別の本を読んでいたので、父親に渡して先に読んでもらっていたのが、11月末頃に「読み終わった」といって返してくれたのでした。

 

著者の紹介をすると、ヘレン・ミアーズさんは戦後(大東亜戦争)GHQ関係の一人として日本にやってきた。実は戦前にも二度日本に来ている彼女は、三度目は違う仕事で日本に来ていたのでした。日本をよく知る彼女からGHQそして連合国のやっていることを見ると、われわれは果たして正しいことをやっているのかと疑問を感じるようになりました。

いわゆる東京裁判も、アメリカを含む連合国がそのような裁判をいていいのかと。

そのような事を、客観的に感情論を抜きにして記したのがこの本です。

私が驚いたのは、この本を書いた著者が”勝者”であるアメリカ人であることと、原著が書かれたのが昭和23年(1948年)だということ、そしてGHQによって発禁になっている事でした。いかに”勝者”にとって都合が悪かったかが窺い知れます。

 

戦後私たち日本人が習った歴史、特に第二次世界大戦に至るまでの経緯については、日本が軍国主義だったとか、アジアを侵略して酷い目にあわせたとか、パールハーバーで奇襲攻撃をしたとか。

著者がアメリカ人なので、本の中には「日本がアジアを侵略した」的なことは書かれていますが、欧米諸国はどうだったのかということも隠さずに書かれてあります。

 

一つだけ紹介すると、日本が当時朝鮮半島(本の中では”韓国”と書いています)を併合したことについて、やはりミアーズ氏は日本が朝鮮半島を「奴隷化」したと書いてありますが、しかし…

 

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一般に「進歩」の基準とされている、病院、学校、官庁(とくに現地行政機関)に占める韓国人の割合、通信施設の整備、産業化、資源開発などの分野でみると、日本の経営は他の植民地主義諸国に比べて劣っていなかったばかりか、むしろ優っていたといえる。

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当時の欧米も日本も、アジア諸国を近代化しようとしていたが、そのことを「進歩」と言っているのですが、そういうことに関しては我々(欧米諸国=植民地主義国)より日本はちゃんとやっていたと書いてあるわけです。

もちろん、日本もソ連の南下を止めるためという意味もあった朝鮮併合でしたが、インフラ整備や教育はきっちりやっていたと、アメリカ人が言っているのです。

 

こういうように、いま「普通」として受け止めていることも、実は違っていることを知らせてくれるのです。

私たちは何を習ってきたのでしょうか。戦後教育もGHQの影響を色濃く残していますが(日教組も労働組合もGHQが作らせた)、この本が発禁になったということは、現在の歴史教育は考え直さなければなりません。

そういう意味で、卓球女子の早田ひな選手は素晴らしい見識をお持ちでしたね。

 

ということで、この400ページ超えの本、年末年始に読んでみてはいかがでしょうか。