ren~蓮~ |  碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

 碧い月のひとりごと(八月乃暖穏の覚書)

あることがきっかけで、記憶が長くもたなくなったことに気づきました。
だから、忘れないために。
大事な記録と記憶。 忘れたくない思い出。
気が向くままに書いていきます。




『𝓡𝓮𝓷』


あなたは、どこを歩いていますか

あなたは
どこにいますか?



私は
酷く濁った泥水の中にいます



だけれど、
そんな泥水の中を歩いていても

ときおり

日が差し込んだり

花が咲いたりします



泥水が冷たい時もあれば

カラダにねっとりと
まとわりつく時もあります

カラダにこびりついた泥が
がちがちに乾いて
ひび割れる時もあります


冬の寒い日は
泥が私の温もりを纏い
私を包んでくれるのです

夏の暑い日は
泥水が私の火照った身体を
冷やすのです

泣きたい時は
泥沼の底へと
いざなうのです


朝日が昇り
一面に花が咲き乱れる時に聞こえる音は

神秘的で

荘厳で

涙が溢れます


周りは静かで

鳥のさえずりが

時折きこえます



嬉嬉としてうたうのか
哀愁をうたっているのか

私には分からないけれど

空や
雲や
風をうけて

このときを生きているだけで
十分だと

ようやく気づくことができました


泥水の中を
這っていても
歩いていても
佇んでいても


私はなんら変わらないのです


だから


嘆かないでください


私は

ここで生きているから