【Beer Voyage(ビア旅)】ベトナム ハノイ編「ハノイのクラフトビール事情」(前編) | Beer Voyage (ビア旅)

Beer Voyage (ビア旅)

旅の中で出会ったビールとお店、そこから垣間見た人々の生活について
(Daily living,Shop Info through MY Beer Voyage on the globe)

 

ビア旅「ハノイのクラフトビール事情」
ハノイの街を久しぶりにそぞろ歩く
(前編)

ベトナム ハノイについて少々解説

ハノイはベトナムの首都であり、北部の中心都市です。現在日本に入ってきているベトナム語や食事は、昔から商業の都市として栄えたホーチミン市から流入したものも多くあります。南部の中核都市ホーチミンは古くから港湾・商業の都市として栄えました。他方ハノイ市は内陸部で、国家主席だったホーチミン氏の廟(お墓)があり、やはり政治の中心都市でもあり、大使館の立ち並ぶ通り付近は、フランス統治時代の建築物の名残を残しています。

ハノイはその名を漢字に直すと河内。つまり紅河の内側にできた街という意味です。

(写真:ハノイ旧市街の中心にあるホアンキエム湖)

(写真:ハノイ旧市街の光景 土産物屋のおっちゃん)

私は過去ハノイの南端に住んでいました。実ははじめてベトナムに訪問したのは1990年代のホーチミン市でした。そのホーチミン市のイメージで着任してみると、ハノイは内陸のため、魚は川や沼の魚がメイン。海側育ちの私は、これからどうしようかと少々困惑した覚えがあります。

最近では高速道路が建設され、交通網が整備され、湾岸の都市ハイフォンなどから新鮮な海鮮も届く街となりました。

今回の訪問まで数年間は、コロナ禍で海外に出られなかったこともあり、ハノイには長く足が遠のいていました。なので余計に今回は個人の錆びついたベトナム語、海外感覚を呼び覚ましにきたように感じていました。実家に帰るのになぜか緊張するような、変な感じで。

ベトナム航空の機内ビール

ベトナム機内で提供されていたビールは「Bia Viet」と「Bia Hanoi」。「Bia333」や「Bia Saigon」など南部のビールは、Hanoiではそんなに好んでは飲まれていません。ちなみにベトナムでは「Bia333」は「バーバーバー」とはいいません。3(バー)を3回いうのがめんどくさいので「ビアバー」か「ビアババー」です。

(写真:機内で提供されているベトナムのビール2種 ハノイではやはりBia Hanoiが人気)

ちょうどハノイは中秋節

到着したハノイはちょうど「中秋節」のころで、旧市街は非常ににぎわっていました。

「中秋節」は日本でいう「中秋の名月」ですが、ベトナムでは丁度農業の収穫後の閑散期となり農業国であるベトナムの親たちは、忙しかった時期に放任していた子供たちにおもちゃを買ったり、遊びに連れて行ったりする「ベトナムのこどもの日」でもあります。そのため、街には中秋の灯篭飾りや月餅の店だけでなく、子供のおもちゃの屋台が出現し、大人の私もわくわくしちゃう雰囲気になります。

(写真:中秋節の旧市街は大賑わい)

ハノイのクラフトビール事情1

今回久しぶりに「ハノイのクラフトビール事情」について自分の目で確認しにきたわけです。古くから外国人の多かったホーチミンには、高額でしたが「ギネスパブ」がありましたし、最近では「クラフトビール」と呼ばれる醸造所もすでに何件もできているように聞いていました。では「今のハノイは?」が私の今回の訪問目的でもありました。

 

ホテルの若いスタッフに聞きました。

「クラフトビールって生ビールなんだけど、小さな工場でつくる、現地の材料を使った新しい形のビールってどこで飲めるの??」すると「そこやかしこにお店がありますよ」という回答。英語・日本語の現地旅行ガイド含め、何人かに聞いてみましたが、どうも「クラフトビール」という言葉にピンときていないという印象でした。

 

それもそのはず。ベトナムにはもともとBia Hoi(ビアホイ)といって、全土そこかしこに自家醸造のビアホールが点在しており、一般的なベトナム料理と一緒に自家製ビールを提供していました。アルコール度数は相当低く、淡色のラガービールです。店から持ち帰りもできるので、私もよく空いた2Lのペットボトルを持参して買いに行きました。

ちなみに昔、ハノイで見かけた海外からきた生ビールの先駆けは、シンガポールの「Tiger Beer」。アジアあるあるなのですが、昔は冷蔵庫もなかったり、停電もさいさいありで「常温のビールか冷えたビールかどちらがいいですか?」とよく聞かれ、氷が入ったグラスを提供されるが一般的でした。

またその昔は儒教思想が濃かったベトナムでは「ビアホイ」は男性の社交の場。外国人の私は許されましたが「現地の女性だけでいくなんてとんでもない」といった雰囲気でした(女子学生と一緒にビアホイに行ってじいさんに叱られた覚えがあります)

「ビールを氷で飲むなんて邪道だ」と思わずに、その土地の風土に沿って飲んでみると案外、おいしいものですよ。

(写真:食堂でのBia Hanoi(ボトル)。グラスにはしっかり氷が入っています)

 

そこでまずは滞在者が比較的行きやすい場所にあるタップルームを2か所ご紹介します。

1件目はホーチミン市が創業の地である「Pasteur Street Brewing」のタップルーム。ハノイ大教会の裏手にあります。2件目はハノイが創業地であり、鉄道のハノイ駅の前にある「ibiero Craft Beer Station」です。位置関係は以下ご参照のこと。けっこう歩きますが徒歩でもいけます。

1件目:Pasteur Street Brewing (ハノイ大教会付近)

ついた初日は夕方から夕立が降ったこともあり、近場で1件。ホアンキエム湖から歩いて行けます。「ハノイ大教会」の裏手にあり、ホーチミン市で始動した「Pasteur Street Brewing」のタップルームです。デンマークのMikkeller主催にて東京で開催された第1回目の「MBCT(ミッケラービアセレブレーション)」でベトナムからゲストビールとして参加していた醸造所です。

(写真 ハノイのシンボリックな風景の一つ。ハノイ大教会)

(写真 スタッフおすすめのPomero IPA)

この醸造所は、ホーチミン市でも数店舗あります。醸造所のおすすめは、ベトナムで収穫された果実や食材を副原料として使用しているビール。写真「Pomero IPA」。ざぼんを使ったさわやかなビールです。高アルコールの黒ビールもありましたが、どちらかというと飲みやすい、軽い風味のビールのタップが並びます。ビアフライトで、30万ドン程度。一杯で6万ドン~15万ドンぐらい。来訪者はやはり在住外国人が観光客がメインという感じです。一杯の価格は日本とそんなに変わらないので、一般人が日常ふつうに飲むには、ちょっとハードルが高いかなと感じました。

この醸造所ですが、このハノイ大教会の裏手のタップルーム以外に「Coming Soon」として西湖(Ho Tay)のそばにもう一店舗できるようです。
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■PASTEUR STREET BREWING Hoan Kiem タップルーム

(*)ハノイ大教会の裏手の通りです

Address:01 Au Trieu Hoan Kiem, Hanoi
TEL : +84 24 6294 9462

HP: 

 

(*)Ho Tay(西湖)の近くにオープン告知あり(2023年9月時点)

PASTEUR STREET BREWING Cua Bac タップルーム

Address:30 Cua Bac,Ba Dinh,Hanoi

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2件目ibiero Craft Beer Station(鉄道ハノイ駅の前)

通常醸造長は海外の方が多い中、この醸造所はハノイ出身のVinh(ヴィン)さんが2016年末にオープンされたとのこと。Pasteur Street Brewing同様、ベトナム特産の柑橘や農産物を副原料として取り入れているようです。店のスタッフが季節ものの、青い米(Com)を使ったビールをすすめてくれました。

 

この醸造所は、若干、先ほどよりお値段が手頃で、クラストビールの基本ラインナップをは揃えている感じです。スタッフは基本、季節もののSpecial Beerをすすめてくれるのですが、中でも私が気に入ったのは、定番の「Hanoi Craft Lager」。実にベトナムらしいラガービールなのですが、風味も軽すぎずしっかりしていて、かなりイケます。飲んですご~くほっとしました。このタップルームは価格的にも、現地の方にもうけそうな気がしました。ホーチミン市でも店舗展開しているようです。

(写真はタップルームと私が好きだったHanoi Craft Lager)

 

スタッフはかなりフレンドリーでした。隣で食べていたまかないの鍋がやたらに美味しそうでした。


ちなみにこれは文化の違いで、どこでもありうる一般論ですが、よくベトナムのお店では店に入ると、スタッフの大集団がお客さんの真横でふつうにまかないを食べていたりします。また細かいおつりがないと(1000ドン以下の小銭単位)「気にしなくていいから」といってきっちりくれないこともあります。オーダーもふつうにとってくれるし、対応も愛想よく、英語でしっかりしてくれるのですが、日本の店ではあんまり遭遇しないことなので、そんなときはちょっとおおらかになってくださいね。

 

(*)注釈:

最近は小銭がなかなか流通していないようで、小銭がないときは端数分、スーパーでは飴をくれたりもします。タクシーや店などでは小銭が手元にあればくれますが、”気にするな”とかいってくれないこともたまにあります。社会的な事情みたいですが、観光客にはなれませんよね。ただしぼられているわけではなので怒らないでくださいね(笑)

逆に高額なおつりなのにチップだとかいって返そうとしない場合は”おつり頂戴!”といって断固とした姿勢で請求してください(笑)

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■ibiero Craft Beer Station(鉄道ハノイ駅すぐ前)

Address:99 Le Duan,Van Mieu Hoan Kiem,Hanoi

HP:

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ハノイのクラフトビールのメッカ(西湖付近)へ2日に渡り挑んだ、懲りない私の「Beer アドベンチャー」。

後編に続きます、、、!乞うご期待! To be contined!