美味しい食事を食べ、明日から翔ちゃん、空くんの待つ家に戻れるんだと思うと、俺はウキウキして、明日から仕事だというのに、布団に入ってからも眠りにつく事が出来なかった。
俺は布団の中で、スマホの中の水族館の写真の翔ちゃんと空くんを1人ニヤニヤ眺めていた。
写真を眺めながら、早く2人に会いたいなぁ〜なんて考えていた。
その時、翔ちゃんの名前で着信があり、スマホが震えた。
翔ちゃんだっ♡
どうしたんだろう??お、以心伝心??
もしかして、俺の声でも聞きたくなっちゃったのかな、くふふっ♡♡
そんな呑気なことを考えながら、スマホの画面をタップした。
「もしもしっ♡」
「雅紀っ!!!」
「?…翔ちゃん、どうしたのっ??」
「まさき…どうしよう…空が…空がいないんだ…。俺…どうしよう…」
「え??どういう事??」
「おれ…おれ…どうしよう…」
「とにかく落ち着いて!!俺、今からそっち行くからっ!!」
「おれ…探しに…行かなきゃ…。空に何かあったら…おれ…うっ、ううっ…」
「とにかくすぐ行く、今すぐ行くからっ!!翔ちゃん、このまま通話切らないで!!分かった??今、行くからねっ!!」
俺は通話を切らないまま、布団から飛び出し、智先生とニノに状況を伝え、部屋着のまま飛び出した!!
俺の後を2人も追いかけてくるけど、ごめんっ!!
2人を待つことなく、猛スピードで翔ちゃんの家に向かった。
スマホからは翔ちゃんが仕切りに、空くんの名前を連呼しているのが聞こえる…。
翔ちゃんの家のマンションに着き、エントランスの暗証番号を押し、自動ドアを解錠しエレベーターに乗り込んだ!!
「翔ちゃんっ!!今、マンションに着いたからっ!!はぁ、はぁ…」
「ううっ…まさきぃ…どうしよう…」
そう言っている間にエレベーターは5階に到着し、俺は玄関の扉を開け、玄関に靴を脱ぎ捨て、部屋の中へと入った。
「翔ちゃんっ!!」
リビングのソファーの下で小さくなって、スマホを握りしめ、震える翔ちゃんを見つけた。
俺は急いで駆け寄り、翔ちゃんを抱きしめた。
「翔ちゃんっ!!大丈夫??はぁ、はぁ…とにかく、落ち着いてゆっくり話して?んっ、はぁ…俺が来たから、もう大丈夫だから…!!」
その時、ニノと智先生も玄関から慌てて入ってきた。
「翔くんっ!!」「翔ちゃんっ!!」
「ニノ、智先生!!」
「空が居ないって…どういう事だっ!!はぁ、はぁ!!」
「翔ちゃん…はぁ…何が、あったのぉ…はぁ、はぁ…」
「お、俺…おれぇ…うっ…うぅ…」
翔ちゃんの震えがどんどん大きくなる。
俺は翔ちゃんを抱きしめながら、背中を撫で続け、仕切りに声を掛け続けた。
「翔ちゃん…大丈夫…大丈夫だよ…空くんは絶対に大丈夫…だから、ゆっくり話して…大丈夫だよ…」
翔ちゃんは俺の服をギュッと強く掴み、震えながらも、事の詳細を話し始めた。
つづく
空くんが居なくなってしまいました…
空くんは何処へ…
話を聞いたら、みんなで空くんを探しに行こう
空くん…どこかで泣いているかも…