「で??」
「えっと…」
「雅紀、俺が話すよ!」
「翔ちゃん…」
「空はいつから、こんな事になってるんだよ!!」
「潤、わりぃ…。空の事伝えず、お前に預けちまって。まさか、昼寝でこの症状が出るとは思わなくて…。ほんと、申し訳ないっ」
翔ちゃんが、頭を深く下げたのを見て、俺も慌てて頭を深く下げた。
「いや、別に謝って欲しい訳じゃねーんだ。まぁ正直、驚いたけど…。なんで、こんなことになってんの??」
「あのお見合い写真の時からなんだ…。俺が雅紀に内緒にして、隠していた写真が見つかって、そこから雅紀が家を出てるのはちょっとだけ話してたよな…?その辺りぐらいから、少しずつ夜泣きみたいなのが始まってて、ここ最近は特に酷くなってきて、夢遊病みたいに部屋の中を歩き回ったり、今日みたいに大泣きして、何しても治まらない日が段々と増えてきてて…。」
「それって、まーが居ないことに、空がストレス感じてるってことだろ??」
「あぁ、そうだな…。」
「それ、早急にどうにかしなくちゃなんじゃねーの??」
「そんなの分かってるよ…。だから、今日急遽親父とお袋に話に言ったって訳!」
「で、親父さんとお袋さん、なんだって??」
「まぁ、親父の方は何となくは理解してもらえたような感じだけど…お袋の方はやっぱり、なかなか理解には至らないというか…。でも、雅紀と今日はキッチンで料理を一緒に作ったりして、距離は確実に縮まってるし、雅紀に対しての印象も悪くないと思う…。空のことも心配してる上で、葛藤してるっつーのかな…。」
「そっか…。まぁ、そりゃ急に理解しろっつー方が無理だよな…。でも、空このままって訳には行かねーだろ??病院とかつれてったのかよ?」
「病院に連れて行っても、どうしようも出来ないらしいんだよ…。そのストレスを取り除いてやる事が1番だから…。」
「じゃあ、まーが帰ってくるしかねーじゃん!!」
「そうなんだけど…雅紀には、雅紀の考えもあるから、それを無理強いさせる訳には行かねーだろ!」
「まー、お前はどう思ってんだよっ!!」
「お、俺は…翔ちゃんと空くんの近くに居たいよ…。でも、お母さんの気持ちも分かるんだ…。母親が我が子の事を、どれだけ大切に思っているかっていうのは、日々目の当たりにして知っているから…。翔ちゃんのお母さんの気持ちを考えたら、それを無理矢理っていうのは違うというか…やはり認めてもらってからの方がいいと思ってる。空くんには酷かもしれないけど。だから、時々こうやって翔ちゃんと空くんと一緒に過ごす日を作っていくのもありなのかな…って。お母さんに認めてもらえるまでの間は…。」
「そんな事言ってて、空に何かあったらどうすんだよっ!!」
「潤っ!!」
「…ごめん、松潤。」
「そんなこと言ってたら、翔くんだって身体持たねーだろ??こんなの、夜寝れねーじゃん。」
「俺は大丈夫だから!!とにかくお袋に分かってもらうしかないんだよ…。分かってくれ、潤…。」
「俺が、お袋さんに話してやろうか??」
「いや、それは大丈夫。俺と雅紀でどうにかしないといけない問題だから…。ま、お袋も空の今回の事、電話で目の当たりにしたから、少しは考えてくれるんじゃないかな…なんて。」
「そうだといいな…。あー、でも俺、空に拒否られたのショックだわぁー!」
「そんな事言ったら、俺なんて親なのに毎晩拒否られてるしwww」
「空くんは、記憶がないだけだからっ!!2人の事、ちゃんと大好きだから…。そんな事言わないで…。」
「まー、冗談だよ!!」
「なんか、ごめん…」
「雅紀が謝ることじゃないだろ??」
「うん…でも、ごめん…。」
俺は2人に対しても、空くんに対しても申し訳ない気持ちでいっぱいになり、胸が苦しくなったのだった。
つづく
潤くんも心配してるよね
お母さん…あの電話で、どう思ったかな…