「も、もしもしっ??潤??どうかしたか??」
受話器の向こうからは、空くんの泣き声が聞こえる。
「わりぃっ!!昼寝してたらさ、急に起きてきて部屋の中歩き回って、なんか探してるみたいであちこち扉開けて回ってたかと思ったら、急に泣き出してっ!!」
「うわぁーーーーん、ちがうーーー、ちがうのぉーーーー!!」
「そ、空っ!!分かったからっ!!うわっ、なんだ、すげー力だなっ!!」
「いやぁーーー、ちがうのぉーーー!!うわぁーーーん!!」
「俺じゃあどうしようも出来なくって、電話しちまったっ!!分かったから、空っ!!ちょ、落ち着けっ!!」
「潤、わりぃ!!今すぐ帰るっ!!」
「わりぃけど、頼むっ!!分かった、空っ!!違うんだよな??」
ブチッ
「翔ちゃんっ!!」
「親父、お袋、わりぃけど、帰るわっ!!」
「あ、ああ、そうしろ!」
「そ、空くん…だ、大丈夫なの…?」
「あぁ、ここ最近ずっとだから…雅紀、一緒にいいか??」
「も、もちろんっ!!お父さん、お母さん、すみません!!散らかしっぱなしのままで…。」
「そ、そんな事はいいわ!早く行ってあげて!!」
「はいっ!!」
「翔ちゃん、落ち着いたら電話してちょうだいね?」
「わかった!!じゃあ!!雅紀、行くぞっ!!」
「う、うんっ!!お邪魔しましたっ!!」
「気をつけろ!!」
バタンっ
俺と翔ちゃんは急いで、マンションへと戻った。
5階の外廊下まで行くと、もう泣き声が聞こえてくる。
俺と翔ちゃんは鍵で玄関の扉を開けると、急いで部屋の中へと入った。
「うわぁーーん、やだぁーー、ちがうのぉーー!!」
「空っ!!」「空くんっ!!」
リビングの扉を開けると、松潤の腕の中で暴れる空くんが…。
「ごめん、松潤!!代わってもらってもいい?」
「あ、あぁ!!でも、すこいぞ??」
「大丈夫!!空くん??ほら、おいで!!」
松潤から、空くんを受け取ると、空くんの耳元で声を掛けた。
「空くん?雅紀先生だよ!!ごめんね、遅くなって…。」
すると、暴れていた空くんの身体がピクっとして、俺の胸にぽすんと収まると、暴れることを辞め俺の服にぎゅっと掴まったかと思うと、寝息を立てまた眠り始めた。
「え??どういうこと??」
「わりぃ、潤…。大変だったよな??」
松潤の額には、珠のような汗が噴き出していた。
「ちょっと顔だけ洗わせて?話はそれからっつーことで!」
そう言うと、松潤は洗面所へと向かった。
俺と翔ちゃんは目を合わせて、頷きあった。
つづく
空くん、お昼寝中にまた、夜驚症と夢中遊行症の症状が出てしまいましたね
潤くん、初めてのことにびっくりですよね
さぁ、潤くんにもきちんとお話せねばですね