そして午睡の時間…。
「今日は空くん、驚いたわね!」
「…そうですね…。」
「まさか手が出るなんて…初めてだもの。家で何かあったの??」
うっ…さすが、ともこ先生…鋭いな。
「黙ってるってことは、何かあるわね?何があったの??」
「えっと…実は、俺…今、家出てまして…。」
「えーーーーー!!!」
「ともこ先生っ、しーーーーーっ!!」
「あら、ごめんなさい!!ってか、どうしたの??櫻井さんと喧嘩??」
「いや…喧嘩はしてないんですけど…」
「けど??」
「実は…。」
俺は週末にあった出来事を、全てともこ先生に話した。
翔ちゃんのお母さんが来たこと、隠していたお見合い写真を見つけてしまったこと、俺との話をしたら、受け入れる事が出来ないとお母さんは帰って行った話を聞いたこと、空くんの将来を考えたら急に怖くなったこと、今、幼なじみの家にお世話になっていること…諸々、全てを話した。
「だからね…。空くんがあんなに怒って、友だちに手を出したりしたのは…。」
「はい…。」
「空くん、これから少し情緒不安定になるかもしれないわね…。注意して見守っていきましょう。ってか、雅紀先生、あなた何だかウジウジ悩んじゃってるけど、ほんとにそれでいいの??そんなことウジウジしている間にお見合いの話、親御さんに進められたりしたら、後悔しない??空くんが誰を必要としているのか、きちんと考えてあげなくちゃ…。」
「ともこ先生は、そういうこと…に対して偏見とかはないんですね…。」
「だって、愛し合ってる人間を引き裂く事なんて、出来ないでしょ??男女であろうと、男同士、女同士であろうと!!まぁ、親ともなれば自分の息子が…娘が…ってなれば、不安にもなるし、世間の目も気になるだろうし、信じたくないと思うのは当然かも…。だけど、そこは雅紀先生の良さを分かってもらえれば、きっとクリア出来る日が来るんじゃない??まぁ、泣き虫だけど、誰よりも愛情深くて、誰よりも優しい誠意のあるあなたなら!!あ、泣き虫って言ったら、空くんに怒られるわっ、あはははっ!!」
「うぅ…。ありがとうございます…。」
「ほら、また泣くぅーー!!でも、雅紀先生…そこまで大切に空くんに思われて、幸せね??空くんのためにも、正しい答えちゃんと見つけてあげなさい!!ほら、休憩いった、いったーー!!」
「ぐすっ…ありがとうございます!お先に休憩、いただきます!!」
智先生に続き、俺は空くんのことについて考える機会をまた与えて貰ったのだった。
つづく
ともこ先生からも後押しもらえました
でも、そんな簡単に不安はなくならないよね…
ゆっくり、ゆっくり進めばいいよね
心配は空くんの心かな…