「おはようございます!空くん、櫻井さん♡」
あきこ先生が、玄関で元気よく挨拶して出迎えてくれる。
「あきこ先生、おはようございます!ほら、空も!」
「あきこせんせい、おはようございまちゅ!パパーー、はやくぅーー!!」
「あらあら、空くん大急ぎね、ふふ♡早くお友だちと遊びたいのかな??」
「おちょもだちともあちょびたいけど、まさきせんせいにも、はやくあいたいのぉー♡」
「??あら、そうなのね??」
「ハハ、すみませんっ///」
空がグイグイと俺の手を引いて、階段を上る。
「空〜、そんなに慌てなくても!」
俺の言葉なんて、全く耳に入っていかないようで、階段を上りきり、部屋の前に立つ雅紀を見つけた途端、手を離して雅紀に駆け寄り飛び付いた。
「まさきせんせーい、おはようっ!!」
「うわっ、びっくりしたっ!!空くん、おはよう!!」
雅紀も飛び付いてきた空に気付くと、ギュッと抱きしめ返した。
「おはようございます。」
「お、おはようございます///」
少し照れた表情の雅紀。
ちょっぴり寝不足のような顔の気がするが、元気な笑顔が見れて良かった。
「空くん、変わり…ないですか…?」
「そうですね、大丈夫みたいです!」
「大丈夫みたい…?」
「雅紀先生の顔見たら、元気出たみたいなので!」
「そ、そんな///」
「では、よろしくお願いします。行ってきます!!」
「はい///…行ってらっしゃいっ!!」
雅紀の目を見つめて挨拶をすると、少し頬を赤く染め挨拶を返してくれる雅紀。
一晩ぶりに見つめる俺への雅紀からの視線は、十分に熱さを感じるものだった。
そんな雅紀をまだ見つめて居たかったけど、俺は後ろ髪を引かれながら、空に手を振り保育園を後にした。
空くんに一晩ぶりに会った。
俺を見つけて、凄い勢いで飛びついてきたのは、ちょっとビックリだったけど、俺も嬉しかった。
だって、空くんに会いたくて仕方なかったから…。
さっきから、朝の準備をしながら、ずっと俺の動きを目で追い続けている空くん。
元気そうに見えるけど、もしかしたら少し寂しいと思ってくれてたのかな…。
ちょっと気にかけて見ていかないとな…。
そんな風に思っていたその後に、まさか思いもしない出来事が起きたのだった。
つづく
雅紀先生に会えて、嬉しそうな空くん
翔ちゃんも「行ってきます」「行ってらっしゃい」の挨拶が、嬉しそうよね
そして、まさかの出来事とは