そして、子どもたちの午睡の時間…。
子どもたちを寝かしつけしながら、ともこ先生に何があったのかの経緯を伝えた。
「そう…それは雅紀先生もショックだったわね!!でも、その義弟さんも彼のこと相当好きなのね…何だか譲れない想い、ビシバシ感じるわっ!で、雅紀先生は今日は彼のお家に帰るのは辞めようと思っていたのかな??」
「…ともこ先生には全てお見通しですね…そうなんです…翔ちゃんとも、どんな顔して会えば良いか分からなくて…で、朝も早く家を出てフタバで時間を潰していたという…でも、そのことによって、空くんを不安にさせてしまって…さっき言われたんです…ママみたいにいなくなっちゃうの?って…居なくならないで…って。」
「空くん…あぁー、だからあんなに落ち込んでいたのねぇ…不安だったのね、雅紀先生まで居なくなっちゃうって、ぐすっ…もう、めちゃくちゃ抱きしめてあげたいわっ!!」
「すみません…保育士として失格ですよね…」
「謝ることないわ!!空くんに笑顔は戻ってきたんだもん!恋って難しいわよね〜!!辛いかもしれないけど、今日は家に帰って彼ときちんと話すのがいいと思うわよ!!逃げてたって、何も道は開けない!!雅紀先生の気持ち、どんとぶつけてきなさい。それを受け止めてくれる懐の大きさはある人なんじゃない??雅紀先生の彼は!」
「ともこ先生…ぐすっ、そうですね。ちゃんと話してきます!!」
「よしっ!!じゃあ、私は休憩行ってくるわっ!!」
「はい、行ってらっしゃい!!」
「これはまた近々、ナイゼに集合かけなくちゃだわね!!」
「え?何か言いました?」
「な、何でもないわっ!!独り言よ!!じゃっ!!」
「はい…」
ともこ先生は慌てて休憩に入ったのだった…変なともこ先生??
そして仕事を終え、俺は空くんの待つ家へとゆっくり歩みを進めた。
空くんはいつも通り、潤さんと帰っていった…。
お迎え対応は、ともこ先生がしてくれたので、俺は潤さんの事は視界に入れなかった。
「はぁ…空くんと約束したから、帰らなくちゃだけど、やっぱり気が重いのは変わらないよな…」
なんて思いながら、トボトボと歩いていた。
帰り道には、1つ大きな公園があり、いつもはたくさんの子どもたちで賑わっている。
しかしもうこんな時間…公園にはほとんど人は居ない状況。
俺はいつの間にか足が公園に向かっていた。
そして、公園のベンチに腰かけ自販機でコーヒーを買うと、そこでため息をつきながら時間を潰していた。
「空くん…ちゃんと帰るから…ちょっとだけ待ってて…」
俺はベンチに座ってコーヒーを飲みながら、1人空くんに謝罪の言葉を呟いていた。
その時…
「雅紀ーーーーー!!!」
俺の名前を呼ぶ声が、公園内に響いた。
え?翔ちゃん?まさかね…だって今日も残業だもん…
翔ちゃんの声が聞こえるとか、俺ヤバいやつじゃん…
すると、また
「雅紀ーーー!!!」
と呼ぶ声が…。
辺りを見回すと、スーツ姿の翔ちゃんがこっちに向かって走ってくるのが見えた!
「え?なんで??残業は??」
俺の頭の中は、はてなマークでいっぱいだった。
つづく
さぁ、ともこ先生からのアドバイス通り、翔ちゃんにどんと思い、ぶつけられるかな
ってか、翔ちゃん…残業は