仕事を終え、約束通りニノの家へ!!
お土産に、プディング・シューを持ち、ニノと智先生のマンションのインターホンを押す。
ピンポーン🎶
「はーい!!」
「あ、ニノ??俺ーー、雅紀ーー!!」
「はいはい、どうぞー!!」
ガチャッ
「こんばんはーー!!お邪魔しまーす!!」
「おぅ、まーくん!!来たか!!」
「智先生、こんばんは!!ご無沙汰してます!!」
「ほんとだよっ!!あの宇宙人ウインナーパーティー以来、音沙汰無しだもんな!」
「すみませんっ!!あ、これ良かったら…智先生、スイーツ好きでしょ??」
「おっ♡まーくん、分かってるねぇ〜♡♡」
「これ、シュークリームの中にプリンが入ってるんですよ!!」
「シャレてんなぁ〜♡♡夕飯食った後のデザートに、決定だな!!」
「まーくん、ありがとうねぇー!!」
「どういたしまして!!」
「さっ、お腹すいたでしょ??飯食べながら、色々聞かせてもらいましょうかね〜??」
「…うっ…ははっ、そうだね…」
そこからニノの尋問??とでも言うような、怒涛の質問攻撃www
隣りで智先生は、ふにゃんと笑いながら聞いているだけwww
「じゃあ、2人は晴れてお付き合いということでいいんですね??」
「うん…///そういう…事になるのかな…///」
「なんですか!もっと自信持ちなさいよ!!自信持てない何か理由でもあるんですか?」
「幸せ掴むと、幸せと一緒に不安も伴うもんだからなぁ〜」
「智っ、あなた何か不安なんですか??」
「いや、オイラはないよー!!だって、ニノに愛されてるもんっ♡♡」
「バ、バカな事言ってるんじゃないですよっ///自惚れるのも大概にしてくださいっ///」
「耳まで真っ赤にして、カズは可愛いなぁ〜♡♡」
「う、うちの話しはいいんですっ///う、うんっ!!で、まーくんは何か不安なの??」
「……」
「まさか、翔ちゃん久しぶりに出勤して、誰かに言い寄られてるか…??」
「いや…それはないと思う…」
「でも、何かあるんですね…?」
「…うん…」
「翔くんは知ってるの??」
俺は小さく首を横に振った。
「何があったんです?ここじゃないと話せないんでしょ??こうやって集まったってのも、虫の報せでしょ?話してみてください!」
「実は…」
俺は星さんの弟の潤さんの事を2人に話した。
潤さんは、何年も前からずっと翔ちゃんの事が好きで、お姉さんの星さんと結婚した事で日本から離れ、距離を置いていたこと…そして、星さんが亡くなって、今度は翔ちゃんの事を自分が支えようと日本に帰ってきたこと…そして、俺が一緒に暮らしていることをよく思っていなくて、アパートの修繕が終わったら出ていくように言われてること…。
そして、翔ちゃんは潤さんの気持ちに気付いてはいるものの、なんの対策もないこと…。
「はぁ…翔ちゃん…相変わらずのヘタレっぷりは健在ですね…」
「翔ちゃんってヘタレなの??」
「かなりのヘタレですよ!!」
「そうなんだ…」
「でも、まーくんと翔ちゃんはお互いに想いあっているんですから、何も気にすることなんてないじゃないですか?」
「うん…そうなんだけど…」
「もしかして、まーくん!!あなた、自分が身を引けばなんて事、考えてないでしょうね!!」
「…それは…」
「考えてなくもないって感じですね…全く、あなたって人は…はぁ〜」
「…潤さんからしてみたらさ、ずっと大好きだった翔ちゃんがさ、すぐに手の届く目の前にいるのに、俺みたいな邪魔者が現れて、きっと腹が立って仕方ないと思うんだよね…」
「でも、翔ちゃんはあなたが好きなんですよ??あなたが身を引いたからって、その潤さんって人とどうにかなるってことはないでしょ?」
「そうだぞ、まーくん…そんなことをしたからって、誰が幸せになる?誰も幸せにはなれないぞっ!!」
「第一、空くんはどうするんですか?急にあなたに会えなくなって、また気持ちが不安定になりませんか?あんなにあなたのことが大好きなのに…それでもまーくんは、空くんの事置いて出て行けるんですか??」
「……俺だって…出て行きたくないよ…ぐすっ…翔ちゃんのことも、空くんのことも、こんなに大好きで…ぐす…こんなに大切な存在になっちゃったんだもん…ふっ…ううっ」
「じゃあ、答えは出てるじゃないですか…全く、あなたって人は…まーくん、気持ちは分かるけど、それは優しさではありませんよ…そんな事であなたが離れても、誰も幸せにはなれないんです!!あなた、翔ちゃんと空くんの事、幸せにしたいんでしょ?一緒に幸せになりたいんでしょ??」
「…ぐすっ…ううっ…うん…ぐす…いっしょに…いたい…ぐすっ…おれが…おれが2人を…ぐすっ…幸せに…したい…隣りにいたい…うぅ…」
「…バカまさきっ!!だったら、簡単に手を離そうとなんてするんじゃないですよっ!!」
「そうだぞっ、まーくん…ぐすっ…あのかわいい空くんの笑顔を守れるのは、翔ちゃんとまーくんだけなんだからな…ううっ」
「でも、辛かったですね…今日は泣きたいだけ、泣いてください!!俺たちが受け止めるから…」
「カズーー!」
「いや、智っ!あんたじゃないわっ!!ってか、なんであんたがそんなに泣いてるんですか??」
「だってぇー、まーくんが変わらず優しすぎるからぁー」
「はいはい、教え子の優しさにやられちゃったのね…でも、今はあなたじゃないんで!!」
「なんでだよ〜」
「そこのティッシュでも、使ってなさい!ほら、まーくんおいで!!」
「ニノーーー!!」
俺はニノの腕の中で、泣きたいだけ泣かせてもらったのだった。
つづく
雅紀くん、思いっきり気持ちを吐き出せる場所があって、良かったですね
智先生も一緒に涙…
優しい先生ですね