Mサイド
俺は寝室に入り、空くんの眠っているベッドに近付いた。
潤さんとは、仲良くなれず落ち込んでいたが、ベッドの上にふと目をやると、大の字になり180度回転して眠る空くん…!
くふふ、可愛いっ!!
翔ちゃんに寝相までそっくり♡♡
癒されるなぁ…
俺は空くんをそっと抱き上げ、身体を回転させベッドにそっと下ろした。
すると、空くんが
「チリョイリュカしゃん…おいでぇ…」
と寝言を言いながら、俺の首にギュッと抱きついてきた。
空くん、俺の事シロイルカのぬいぐるみと間違えてるなwww
俺はベッドに横になった空くんに覆いかぶさった状態で、身体を優しくトントンとした。
少しずつ俺の首にしがみついていた腕の力が抜け、手がスルッと俺の首から離れた。
ふふ、寝たね!!
空くんの身体にそっと布団をかけ、シロイルカさんを横に寝かせた。
空くんの寝顔を見ながら、俺は盛大にため息をついた。
俺…どんだけ嫌われてんだろ…
確かに翔ちゃんの事をお互い好きなわけだから、ライバルなのは分かる…
それにしたって、あんなに怒らなくったっていいのに…
俺は空くんの寝顔を見ながら、優しく頭を撫で続けた。
そして、いつの間にか眠りに落ちていた。
Jサイド
グビグビッ
はぁーーーーーーー
グラスに残っていたビールを一気に飲み干した。
ったく、何が翔くんを力を合わせて支える同志だよっ!!
一緒にするんじゃねーよっ!!
……
嫌な態度、取っちまったな…
悪いやつじゃないのは、俺だって分かってるんだよ…
でも、俺も翔くんへの思いだけは、譲れないんだよ…
翔くん…早く帰ってこねーかな…
荒れたこの気持ちを鎮められるのは、翔くんだけなんだよ…
ガチャッ
あ、翔くん!!!
パタパタパタ……
「翔くん、おかえり!!意外と早かったね!!」
「あれ?潤??お前、まだ居たの??」
「うん!!翔くんの帰り、待ってたっ!!ご飯食べるでしょ??」
「あぁ、腹ぺこっ!!ってか、雅紀は?」
「…もう、寝てもらったけど…」
「ふーん、そっかぁ…会いたかったけど、仕方ねーか…潤も悪かったな、もう帰っていいぞ!!俺も飯食って、風呂入ったら寝るし…」
「えーー、ご飯の準備とか片付けとかやらせてよ!!せっかく待ってたんだから!!」
「いや、もう遅いしいいよ…」
「翔くん、だってカレー絶対焦がすでしょ!!」
「…嫌っ、それぐらい俺だってだな…」
「ハイハイ、そんな事言ってる間に温められるから、手洗い・嗽してきて!!」
「はーい…」
ふふ、なんか新婚さんみたい♡♡
翔くん、美味しいって言ってくれるかな〜??
ってか、雅紀、雅紀って、もうこの後はその名前出させないからねっ!!
さぁ、温まったかな??
ちょっと味見…うん、いい感じ!!
「翔くーーん、もう食べれる??」
「おぅ、食えるよ!」
「座って待っててね、今持ってくーー!!」
「サンキュー!」
ふふ、サンキューだって♡♡
好きな人からのありがとうって、特別だよね!!
「はい、お待たせ!!」
「やっぱりカレーかぁ!!いい匂いがすると思ってたんだよ!!いただきまーす!!」
「どうぞ、召し上がれ〜♡♡」
ぱくっ…
「……」
「…ん?…もしかして、美味しく…なかった…??」
「いや…」
そう言うと、翔くんの目がうっすらと涙で潤んだ。
え?何…??不味かった??
「やっぱ…姉弟なんだなぁ…」
「へ??」
「星の作ったカレーと同じ味…ぐすっ…はは、なんか懐かしくて…わりぃ、しんみりしちゃったな…」
「……」
「はは、うめーなぁ!!」
時々鼻をすすりながら、カレーを頬張る翔くん…。
その姿を見ていたら、俺はいつの間にか翔くんの後ろに回り、背後からふんわりと抱きしめていた。
「翔くん…食べたくなったら、いつでも俺…作るから…遠慮なく言ってね…」
「はは、ありがとなっ!!でも、辛くなるからしばらくは大丈夫かな…」
俺は翔くんの涙が止まるまで、後ろから抱きしめながら、俺も一緒に頬を濡らしたのだった…。
つづく
書けたぁ
ちょっと潤くんサイドを、潤くんの心情にしようか、翔ちゃんとの絡みにしようか、朝迷ってしまって手が止まってしまいました
翔ちゃんとの絡みで書いたので、ちょっと切ない感じになりました…
大丈夫かなぁ…(((;゚Д゚)))ドキドキ