翔ちゃんの前と潤さんが座るであろう席のところにはプレートが運ばれて、俺の前にはまだ何もない状況…
はぁ…なんか、ほんとお腹空かないかも…
っていうか、この場にいるのが辛い…
そんな事を思いながら、ぼーっとイスに座っていた…。
するとキッチンから、潤さんがコーンスープとスムージーをトレーに乗せ、プレートをもう片方の手に持って現れた。
そしてその後ろから、プレートを大事そうに、慎重に運ぶ空くん…。
目をキラキラとさせて、こぼさないように、サンドイッチが倒れないように、一生懸命運んでいる。
それも、プレートに乗っているサンドイッチは、正直潤さんが作ったものと比べると、かなり不格好…。
でも、きっと一生懸命作ったんだろうなぁと思いながら、こぼさず頑張れと心の中で応援していると…
俺の座るテーブルの前に、空くんがそのプレートを置いた。
「え?」
俺はてっきり、空くんが自分で食べるために運んできたのだと思っていたので、思わず驚いて声を出してしまった!!
すると、空くんが少し恥ずかしそうにしながら、俺にこう言ったんだ。
「まさきせんせい、いつもおいちいごはん、ちゅくってくれてありがとっ!!まさきせんせいにたべてもらいたくて、じゅんといっちょに空、がんばってちゅくったの!!ちょっとへたっぴだけど、きっとおいちいよ!!だから、いっぱいたべてね///」
「空くん…?」
「空が、雅紀さんのご飯はどうしても自分が作りたいって言うから、あんたのは空、作!!翔くんのは俺がたっくさん愛情込めて作ったから、美味いと思うよ♡まぁ、空のも美味いけどなっ!」
「空くん…雅紀先生のために…作ってくれたの…??」
「うん!!空、がんばったの!!でも、パンのかたち、ちょっとへんになっちゃったの… ごめんね…」
俺は椅子からおりると、空くんを思いっきり抱きしめた。
「空くんっ!ありがとうっ!!すごく嬉しいよ…グスッ…」
「まさきせんせい?ないちぇるの??空がじょうじゅに、ちゅくれなかったから??」
「違うよっ!!空くん、雅紀先生めちゃくちゃ嬉しいの!空くんが、先生のために朝ごはん作ってくれるだなんて…こんなに嬉しい事ないよ…グスッ…空くん、ほんとにありがとう…グスッ…」
「まさきせんせい、なかないで?いっちょにたべよ?」
「うんっ!…潤さんもありがとう!」
「俺は何もっ!俺は翔くんに俺の作った朝飯たべてもらおうと思って来ただけだから///そしたら、空が手伝うって言うから、手伝ってもらおうと思ったら、空があんたの分はどうしても作りたいって言うから!!仕方なく?」
「空!偉いなぁ!!パパも空の作った朝ごはん、食べたかったなぁ〜!」
「ちょっと、翔くんっ!!それはないでしょ??」
「はは、冗談、冗談!!でも、空、今度はパパにも作ってくれな?」
「うんっ!!ちゅぎは、パパにもちゅくってあげるっ!!」
「ってか、ほんとはパパに作るのが先じゃね?空はホント雅紀が好きだな!!」
「うん!雅紀先生、だいちゅき♡♡」
「空くん、雅紀先生も空くん、だいちゅきーー♡♡」
「へっ!やってらんねー!さっさと食おうぜっ!!」
「潤、ありがとな!」
「なんか、翔くんに礼言われるとムカつくっ!!」
「なんでだよっ!!」
「別にっ!!きっと翔くんには一生わかんねーよっ!いっただきまーす!!」
そう言うと、潤さんはサンドイッチにかぶりついた。
「空くん、食べよ!!」
「うん!!」
今日は翔ちゃんの前の席には座れなかったけど、空くんの目の前で、空くんの作ってくれたご飯を顔を見合せながら食べれたのは、本当に幸せな時間で、今まで食べた何よりも美味しかった!!
潤さんは隣の席で、翔ちゃんにおかわりがいるかと聞いたり、何なら「アーン♡♡」なんて食べさせようとしていたけど、俺は全く腹が立つ事もなく、穏やかな気持ちで朝食を食べ終えた。
つづく
空くん、雅紀先生がいつもご飯を作ってくれる事に、感謝の気持ちを持っていて、何かして返したかったのですね
ほんと、なんていい子なのぉー
雅紀くんも、ザワザワしていた気持ちが空くんのおかげで、ほっこり温かくなりましたねー
潤くんとは、一時休戦ですが、潤くんそんな簡単には引き下がりませんよぉー(。-∀-)にや♡