櫻葉・相櫻小説です
家に帰り、空とお風呂!!
今日の保育園での話を、一生懸命話しする空。
だけど、俺の頭の中は雅紀の事でいっぱいで、心ここに在らず状態で、終いには空からお説教!!
「パパッ!!空のおはなち、ちゃんときいちぇないでちょっ!!」
「え??い、いや!聞いてるよ!!」
「じゃあ、きょう空はだれとあちょんだ??」
「……それはだな、えっと…」
「ほら、きいちぇない!!ぷぅーーーっ!!」
「ご、ごめんっ!!今度はちゃんと聞くから、な?もっかい話してくれるか??」
「もういいっ!!」
「空ーーーーっ!!」
激おこプンプン丸な空…
話しかけても、返事もしてくれない…
俺が反省と落ち込みで項垂れているところに、雅紀が帰ってきた。
ピンポーン🎶
「あ、まさきせんせいだぁ!!」
さっきまで、激おこプンプン丸だった空の顔が一瞬にしてぱぁっと明るくなった!!
インタホーンを押し
「はい…」
と返事をすると
「翔ちゃん?俺!!開けてもらってもいい??」
「はい…」
ドアの解錠ボタンを押すと、空は玄関に向かってダッシュ!!
扉が開くのを今か今かと待っている。
玄関の鍵を開け待っていると、ガチャッという音と共に、雅紀が入ってきた!!
「ただいまっ!!遅くなってごめんねっ!!今すぐ、ご飯にするからね!!」
「まさきせんせい、おかえりーー!!」
「空くん、ただいまーー!!」
空は嬉しそうに雅紀に抱きついている。
俺に対する態度とは雲泥の差…。
俺が撫でた肩を、さらにがっかりおろしていると
「翔ちゃん、ただいま??どうしたの??」
俺の異変に直ぐに気が付く雅紀…やっぱりさすが保育士だよなぁ…
チラッと空の方を見ると、ふんっと顔を背ける空…
それを見て何かを察した雅紀が
「とりあえず、リビングに行こうか??」
そう言って、空を抱っこするとリビングへと入っていった。
俺はその後をトボトボとついていった。
リビングのソファーに、空を抱っこしたまま座る雅紀。
「翔ちゃん?ここ、座って?」
と言って、雅紀の隣をポンポンと優しく叩いた。
撫でた肩の俺が静かに座ると、空と俺に向かってゆっくりと話し始めた。
「空くん??パパ、元気ないね??どうしたんだろう??」
「…だって、パパがわるいんだもんっ!!空のおはなち、きいちぇくれないんだもん!!」
「そっか、空くんとパパは、今ケンカしちゃってるんだね??パパ、空くんのお話し、聞いてくれなかったの?」
「うん!おふろで、きょうかいとくんとはるとくんといっちょにサッカーやったおはなちちたの!!で、空1かいだけゴールできたのがうれちくて、そのことおはなちちたのに、パパきいちぇくれなかったの…」
「そっか…それは悲しかったね…。空くん、その時どんな気持ちだったか、パパにお話してあげた??」
「…ううん、ちてない…」
「そっか…空くんの悲しかった気持ち、凄くわかるよ!その悲しかったよって気持ち、伝えた??」
「…ううん、ちゅたえてない…」
「じゃあ、パパにきちんとその事、空くんの言葉で伝えてあげなくちゃね!パパももしかしたら、お仕事のこととか考えなくちゃいけない事があったのかもしれないし…」
「…うん…」
「それから、翔ちゃん?仕事の事とかお家の事とか、考えなくっちゃいけないことがあるのも分かるけど、子どもが話をしてる時はきちんと聞いてあげて?」
「…はい…」
「子どもが楽しそうに一日のこと話してくれるって嬉しくない??段々と年齢があがっていくと、そんな事さえ話してくれなくなっちゃうんだよ…それなら、今のこの時間大切にしなくちゃなって思わない??」
「思います…」
「じゃあ、子どもの話はきちんと聞いてあげてね?子どもとの会話の中から、色んなことを知ることが出来るからね!!」
「…はい…」
「じゃあ、ケンカはおしまい!!さぁ、2人ともどうしたらいい??」
「…空?空の話し、きちんと聞かなくてごめんな??」
「…うん。パパがおはなち、きいてくれなくちぇさびちかったの…空、たくさんおこっちゃっちぇごめんね…」
「空、仲直りのギューしようか?」
「うん!!」
「「仲直りのぎゅーーー♡」」
「よし、じゃあご飯作るよ!!2人ともお手伝いしてね??」
「じゃあ、誰が1番に台所に行くか競走!!空、しっかり捕まってろ!!」
「うんっ!!」
俺は空を抱いたまま、一目散に台所に向かった。
「あーー、翔ちゃんと空くん、フライングーー!!ずるーいっ!!」
「空、逃げるぞーー!!」
「うん、きゃははは、パパはやーい!!」
こうして、俺と空のケンカは終わり、仲直りして、いつもの日常が戻ってきたのだった。
つづく
空くんと翔ちゃん、仲直り出来て良かったね
さすが、雅紀先生です
子どもとの会話の中から、その日のコンディションや、友だちとの関係性…色んなことが知ること出来ますからね〜
きっと、これからは空くんとの会話の時間、大切にしてくれることでしょう
まぁ、翔ちゃん…雅紀くんのこと考えてて、話聞いてなかったんですけどね