あーー、やってしまった…!!
雅紀の前で泣いてしまった…。
1人涙を流すことは、星が亡くなった後も確かにあったが、誰かの前でというのは、星が亡くなってからは葬式の時以来だな…。
雅紀…ほんと昔から変わらず優しいんだよな…。
空も雅紀には、すごく心を許しているし…そして雅紀もさすがだよね!
空の扱いがとっても上手い…。
保育士だから、当たり前なのかもしれないけど、それだけじゃなく、なんて言うのかな絶対的な安心感…雅紀から放たれる温かいオーラ…太陽のような笑顔…。
全部が、俺たち親子を包み込んでくれるんだよな…。
……いや!!でも、ダメだ!!
俺たち親子の事に雅紀を巻き込んでは!!
だって…雅紀はまだ未婚…これから素敵な出逢いがあるかもしれない。
それなのに、俺や空の事で甘えてばかりはダメだ…!!
しっかりしろ!!俺!!
分からないことがある時は、助けてもらおう!!
でも、それ以上の甘えはダメだ。
そこはちゃんと線引きしなくちゃだよな…。
「ごめーん!!待たせちゃったな!!」
「大丈夫だよ!!」
「空も1、2時間は寝ると思うから、もう少し飲むか!」
「いいねぇ〜!!」
そしてお酒と買ってきたツマミで、俺たちは飲み直しを始めた。
「翔ちゃん、いつから仕事行き始めるの??」
「後、1週間休みだから、再来週から!」
「そっか!!じゃあ、それからは大変だな!!」
「まぁ確かに…不安だけど、やるしかないよな!!空の親は俺しかいないんだし!!」
「でも、あんまり無理しすぎないようにしなきゃ、ダメだぞ!!」
「智先生ありがとう、親も近くに住んでるし、何かあれば頼るようにする!!」
「おー、それがいい!!」
「まぁ、何かあれば私たちにも声掛けてください!!私と智も手助け出来るし、まーくんも一応これでも保育士だから、子どもの事なら任せられるだろうから!」
「一応ってなんだよ!!」
「いや、まーくん…あなたしっかりしてるようで、やはりどこか天然な所は否めないのよ、ちょっと残念な所、あるでしょ…??」
「うっ…確かにそうだけど…」
「ははっ!!空のことで分からない事があった時は、雅紀先生に頼るよ!その時はよろしくお願いします!!」
「もちろんっ!!いつでも頼ってください!!」
「ああ〜、ああ〜、大丈夫かねぇ、心配でしかないわ…」
「もう!ニノっ!!」
「「「ハハハ」」」
そこから、俺たちはお互い会えていなかった時間を埋めるかのように、お互いのことを色々と話した。
2時間ほど経った頃、寝室から空の泣き声が聞こえてきた。
「ママーー、ママーーー」
「あ、空だ!!ちょっと行ってくるわっ!」
「俺も行こうか?」
「雅紀、ありがとう!大丈夫だよ!!」
俺は寝室に行き、寝ぼけている空に声を掛けた。
「空?起きたのか??」
「ママーー!!」
「違うよ、空!パパだよ!!」
「いやーー、パパ、イヤーー!!ママがいい!!」
「空?寝ぼけてるんだろ!ほら、抱っこしてやるからおいで!!」
「いやー、いかない!!パパ、いかないのぉー!!」
「空?雅紀先生とニノと智先生も待ってるぞ!!」
「ぐすっ…ぐすっ…まさきせんせいがいい…」
「え??いや、雅紀先生向こうで待ってるから、一緒に行こう!」
「やだぁー、まさきせんせいにだっこしてもらうー」
「空ーー、わがまま言わないの!!」
「やだ、やだ、やだぁーー!!まさきせんせいがいいーー!!うわぁーん、まさきせんせいーーー!!」
「ん?なんか、俺、呼ばれてる??」
「確かに…雅紀先生って空くん言ってますね」
「ちょっと、行ってくるわ!」
コンコン…
「翔ちゃん?空くん?」
「あ、雅紀…。」
「入っても…大丈夫??」
「ああー、わりぃ!!」
「開けるよ?」
ガチャ
「空くん?お目目、覚めたの?」
「まさきせんせいーー!!だっこーー!!」
「ふふ、可愛い♡♡翔ちゃん、俺が抱っこしても大丈夫??」
「助かる!!いつもこんな事ないんだけどな…興奮しすぎたか??」
「くふふ、そうかもね!ほら、空くんおいで!!」
俺が手を伸ばすと、小さな両手を広げ俺に向けて伸ばす空くん!!
あーー、もうめちゃくちゃ可愛い♡♡
俺は空くんを抱き上げると、安心出来るようにギュッと抱き締めた。
空くんも俺の首筋にギュッと抱きついて、顔をスリスリしてくる。
「くふふ、空くんくすぐったいよっ!」
「…まさきせんせい…ママといっしょ…」
「え…?」
「…ママのにおいするぅ!!」
「いやいや///」
そう言うと、空くんは俺の首にもっと強くギュッと捕まってきた。
空くんの一言にちょっと焦ってしまった俺は、何とか話を誤魔化そうとニノと智先生の名前を出した。
「ニノと智先生も待ってるよ?一緒にあっちのお部屋に行く??」
「ニノちゃんとさとし?」
「うん、空くんまだかなぁ??って待ってるよ!」
「あっちのおへや、いくっ!!」
「空、ほら重たいからパパのところおいで!!」
「いやぁー、まさきせんせいといくーー!」
「分かった、分かった!!雅紀先生と行こうね?」
「うん!」
「翔ちゃん、今日だけ甘えさせてあげて?」
「ああー、なんか悪ぃな!!」
「大丈夫だよ!!じゃあ、みんなであっちのお部屋行こうね〜!」
そう言って、俺は空くんを抱っこしたまま、翔ちゃんとリビングに戻ったのだった。
ってか、ママと一緒の匂いって…そんなわけないよな…。
つづく
空くん曰く、雅紀先生はママと同じ匂いがするみたいです
空くんの中で、それぐらい安心出来る匂いってことなのでしょうかね
というか、投稿遅くなってしまってすみませんでした
昨日は久々の土曜出勤だったもんで…疲れて、書けなかった
あ、後フォロワーさんが300人を越えていてビックリ
皆様、いつもありがとうございます(*・ω・)*_ _)ペコリ
こんな初心者部屋に遊びに来てくださって、感謝しかないです
これからも楽しいお話届けられるよう、頑張りますっ
今後とも、よろしくお願いします