櫻葉・相櫻小説ですハートグリーンハート

苦手な方はこちらで回れ右ー、お願いしますお願い

大丈夫な方、お付き合い頂けたら嬉しいですルンルン

よろしくお願いします飛び出すハート




とても辛いシーンとなっております。

また、始まりは翔ちゃんが家庭を持っているという設定でのお話となっております。

ご理解頂いた上で、お読みいただけたら幸いです。



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「こちらで少しお待ちください、担当の医師が来ますので。」

「あ、あのっ!星は?星は大丈夫なんですよね??」

「…櫻井さん、今医師が来てお話しますから、今暫くお待ちくださいね…」

「パパ…?ママは…??」

「空、ごめんなっ!大丈夫だ!今お医者さんが来てくれて、お話が終わったらママに会えるからな?」

「うん!」

「もうちょっと、パパと待ってような?」

「うん!空、いいこだから、まてるよ!!」

「そうだな…空は、良い子だから待てるな!」

そう言って、俺は空の頭に手を置き、頭を撫でた。
嬉しそうに笑う空…。
家を出る前に想像していたものとは違う空気の重さに、俺は押しつぶされそうになりながら、それを何とか保つために空に触れずには居られなかった。

待っている時間は、ほんの数分の事だったのだが、何時間も、いや何十時間も待たされている感覚だった。
そんな事を感じていると、1人の男性医師がこちらに向かって歩いてきた。

「櫻井さんで、よろしいでしょうか?」

「はい!!妻は!星は!!星は大丈夫なんですよね??」

「……櫻井さん…非常に申し上げにくいのですが、奥様の星さんは、先程息を引き取られました…」

「!!!は?何言ってんだよっ!!そ、そんな訳ないだろっ??だって、買い物に行くって、自転車で出掛けただけで、すぐ帰ってくるって!!息を引き取られたって、何だよっ!!何言ってんだよっ!!」

「櫻井さん!!落ち着いてください!!」

「落ち着いていられっかよっ!!」

「…グスッ…グスッ…うわぁーーーーん!!パパ、こわいよぉ!!」

「そ、空?ご、ごめんっ!パパ、怖かったな?ごめん…ごめんな?」

「ママーーっ!ママがいいーーーー!!」

「ごめん…空…ごめんって…ビックリさせちゃったな…うっ…」

俺は怖がる空を、優しく抱きしめた。
突然の事で、現実を受け入れられないというのは、こういう状態なんだ…と、頭のどこかで妙に冷静でいる自分と、何が起こっているのかが分からずパニックになっている自分とで、ぐちゃぐちゃだった…。

俺の腕の中で、しゃくりあげて泣く空…。
俺がしっかりしなきゃ!!
空を抱きしめながら、俺は自身を奮い立たせた。

「警察の方もいらしていますので、まずそちらのお話を聞いてから、奥様との対面となります…。どうぞ、こちらへ」

「…はい…」

俺は空を抱き上げ、医師の後についた。
1つの部屋の前で止まると

「どうぞ、こちらへ…」

そう言って扉を開けた。
部屋の中には、警察官が2名おり、俺たち2人を見て頭を深々と下げた。
俺も連られるかのように、空を抱いたまま頭を下げた。

「櫻井さんですね?どうぞ、お座りください。」

「…はい…」

「湊警察署の岡田と申します。」

「同じく、湊警察署の伊野尾と申します。」

「奥様の星さんの事故の状況について、お話させていただきます。どうぞおかけになってください。」

「…はい…」

「星さんですが、今日はどちらへ行かれていたのでしょうか?」

「…五和スーパーへ買い物に…」

「そうなんですね。その五和スーパーの近くの横断歩道、分かりますかね?」

「…はい…」

「その横断歩道でですね、信号が青になり、渡ろうとしたご老人の横をバイクが横切ったようで、それに驚かれたご老人が転倒しそうになったのを支えた際に下敷きになられた星さんが頭を強く打たれたようで…。詳しい事は、今まだ現場検証中ですので、また後ほどくわしくお話しさせていただきますが…。先程医師からお話しもあったかと思うのですが、頭以外には外傷はないのですが、ご老人を支えた際に頭の打ち所が悪かったようで、残念ながら、救急車が着いた時には、既に意識のない状態で、色々処置にあたったようですが、先程息を引き取られたという状況です。」

「…くっ…うぅっ…」

「パパ?どうちたの?なんでないてるの??」

「ううっ…くっ…」

「おまわりさん!パパのこと、なかしちゃダメなのっ!」

「ごめんね…泣かすつもりは無いんだけどね…」

「パパ?どこいたいの?空がいちゃい、いちゃい、とんでけーちてあげるよ!」

俺は空を抱きしめ、ただ涙を流すことしか出来なかった。
何も分かっていない空に、何から話せば良いのか…これから先、どうすれば良いのか…何より親の俺がしっかりしなきゃいけないのに、空に支えられている状況も情けなく…でも、溢れる涙は止めることが出来ず…暫くの間、空を抱きしめたまま、涙を流し続けた。



つづく


空くんが良い子過ぎて…泣
突然の出来事に、現実を受け止めきれない翔ちゃん…ショボーン
辛いですね…えーん