以前にもこのブログで紹介したのですが「Human In NY」がこの夏パキスタン・イラン等を旅し,
同様にインタビューをしてきました。
いつもは一枚の写真と、くすっと笑えたり、思わず涙ぐむ短い文章だけなのですが、
今回6話の長編になるそうです。
今日最初の3話が公開されました。
--2014年 8月 ---
私が彼に出会ったのは 2014年の戦争中のイラクのクルド人地区のホテルだった。
ムハマド:
シリアから逃れてここに着いたとき、有り金は50ドルしかなかったんです。
ある人が家に連れて行ってくれて、食事や住む場所を与えてくれました。
でも、ただ彼のお世話になり続けるのは、恥ずかしいので、
1日11時間仕事を探して家には寝るためだけに帰るようにしました。
なんとかホテルの仕事を見つけました。
週休無休で12時間労働・月給は400ドルでした。
今はこのホテルの仕事を見つけて、随分良くなりました。
一日12時間労働で月給600ドルです。
休日もあるんです!
空いている時間は英語の先生として働いていて、
だから、毎日18時間働いています。
お金は全く使いません。1枚のシャツだって買ってませんよ。
今1万3000ユーロ(176万円)貯めました。
このお金でヨーロッパに連れて行ってくれる男がいるんだ!
来週にはここを発つよ!
その前に一度、家族にお別れを言いにシリアに戻ろうと思っています。
そしたら、全てをおいて僕は旅立ちます!
全部忘れるんだ!!
私が彼に出会ったのは 2014年の戦争中のイラクのクルド人地区のホテルだった。
ムハマド:
シリアから逃れてここに着いたとき、有り金は50ドルしかなかったんです。
ある人が家に連れて行ってくれて、食事や住む場所を与えてくれました。
でも、ただ彼のお世話になり続けるのは、恥ずかしいので、
1日11時間仕事を探して家には寝るためだけに帰るようにしました。
なんとかホテルの仕事を見つけました。
週休無休で12時間労働・月給は400ドルでした。
今はこのホテルの仕事を見つけて、随分良くなりました。
一日12時間労働で月給600ドルです。
休日もあるんです!
空いている時間は英語の先生として働いていて、
だから、毎日18時間働いています。
お金は全く使いません。1枚のシャツだって買ってませんよ。
今1万3000ユーロ(176万円)貯めました。
このお金でヨーロッパに連れて行ってくれる男がいるんだ!
来週にはここを発つよ!
その前に一度、家族にお別れを言いにシリアに戻ろうと思っています。
そしたら、全てをおいて僕は旅立ちます!
全部忘れるんだ!!
-- 2015年8月 ギリシャ コス島にて --
再び彼にインタビューすることが出来ました。
ムハマド:
ヨーロッパに旅立つ前、一度シリアに家族を見に戻ったんだ。
シリアではおじさんの納屋にずっといた。
警察が父さんの家のドアをひっきりなしに叩いて、僕を探していたから。
父さんは「これ以上ここにいたら見つかってしまう。殺されてしまうぞ!」
僕は密輸業者に連絡を取ってイスタンブールに向かった。
これからヨーロッパに旅立とうしたその時、妹から電話がきたんだ。
「父さんの具合が悪い。」
警察にひどく叩かれて、5000ユーロ(67万円)の手術代を払わないと、父さんは死ぬっていうんだ。
ヨーロッパに行くための金しか持っていない。
どうすればいい? どんな選択肢があるっていうんだ!
2週間後もっとひどいニュースが妹から伝えられた。
「製油工場で働いていた弟がISISに殺された」
やつらは、弟のIDカードの住所を見てメッセージを家に送ってきたらしい。
‘クルド人はムスリムではない’
弟の頭と一緒に。
弟の頭を見てしまった一番下の妹は、もう一年も前のことなんだけど、
それ以来一言も喋れない。
再び彼にインタビューすることが出来ました。
ムハマド:
ヨーロッパに旅立つ前、一度シリアに家族を見に戻ったんだ。
シリアではおじさんの納屋にずっといた。
警察が父さんの家のドアをひっきりなしに叩いて、僕を探していたから。
父さんは「これ以上ここにいたら見つかってしまう。殺されてしまうぞ!」
僕は密輸業者に連絡を取ってイスタンブールに向かった。
これからヨーロッパに旅立とうしたその時、妹から電話がきたんだ。
「父さんの具合が悪い。」
警察にひどく叩かれて、5000ユーロ(67万円)の手術代を払わないと、父さんは死ぬっていうんだ。
ヨーロッパに行くための金しか持っていない。
どうすればいい? どんな選択肢があるっていうんだ!
2週間後もっとひどいニュースが妹から伝えられた。
「製油工場で働いていた弟がISISに殺された」
やつらは、弟のIDカードの住所を見てメッセージを家に送ってきたらしい。
‘クルド人はムスリムではない’
弟の頭と一緒に。
弟の頭を見てしまった一番下の妹は、もう一年も前のことなんだけど、
それ以来一言も喋れない。
-- 2015年8月 ギリシャ コス島にて --
ムハマド:
2週間涙が止まらなかった。
理不尽だ。
なんでこんなことが僕の家族に起きるんだ!
正しく生きて来た。
正しいことだけを!
誰に対しても、正直に振舞った。
近隣を愛した。
ひどい間違い何て犯していない!
ひどいプレッシャーに押しつぶされそうな日々でした。
父さんは集中治療室にいて、ISISは 村に日に日に近づいている。
僕はほとんど狂っていた。
ある日、街で気絶して目が覚めたら病院だった。
僕は残りの金を全部密輸業者に渡して妹達を逃がしてくれとお願いした。
13,000ドルあった金が1000ドルしかなくなり、僕はトルコに取り残されてしまった。
手術が成功して元気になった父さんが電話してきた。
「どうやって手術費払ったんだ?」
「友達がだしてくれたんだよ」
「ヨーロッパに着いたのかい?」
「着いたよ!大丈夫だよ! 心配しなくても大丈夫だよ!」
僕は初めて父さんに嘘をついた。
ムハマド:
2週間涙が止まらなかった。
理不尽だ。
なんでこんなことが僕の家族に起きるんだ!
正しく生きて来た。
正しいことだけを!
誰に対しても、正直に振舞った。
近隣を愛した。
ひどい間違い何て犯していない!
ひどいプレッシャーに押しつぶされそうな日々でした。
父さんは集中治療室にいて、ISISは 村に日に日に近づいている。
僕はほとんど狂っていた。
ある日、街で気絶して目が覚めたら病院だった。
僕は残りの金を全部密輸業者に渡して妹達を逃がしてくれとお願いした。
13,000ドルあった金が1000ドルしかなくなり、僕はトルコに取り残されてしまった。
手術が成功して元気になった父さんが電話してきた。
「どうやって手術費払ったんだ?」
「友達がだしてくれたんだよ」
「ヨーロッパに着いたのかい?」
「着いたよ!大丈夫だよ! 心配しなくても大丈夫だよ!」
僕は初めて父さんに嘘をついた。
続編が公開されたので訳しました。
ある難民の話(2)
◆感想
希望に満ち溢れていた出会いからわずか1ヶ月の間に次々と不幸がムハマドさんに押し寄せます。
この後どうなったのかとても気になります。
今年の8月にはギリシャ コス島でのインタビューです。
地図で見るとギリシャとはいえ、ほとんどトルコです。
イスタンブールからかなり離れた地であることから、
ヨーロッパへの移動を目指し、いくつもの苦難があったのでは?と思われます。
密輸業者に渡した金が本当に残された妹達に使われたのか?も気になるところです。
また、今回の大量移民の中にムハマドさんもいて、救済されたのかとても気になります。
今回のドイツの大量移民の3割は偽装難民だったという報道もされています。
紛れも無いシリア難民のムハマドさんは救われて欲しいな。と子供のような考えを持っています。
◆今日の面白画像
「心配させといて」
ある事故で、私はよき友、よき飲み仲間を失ってしまいました。 .... 彼は結婚指輪を指にしてしまった。 わかる!! 結婚するとなかなか遊んでくれなくなりますよね!(笑) 「奥さんが怒るからー」とか言ってそそくさ帰って行きます。 その場は「帰れ返れー!」とか言いますが、あー。そうなんだな。としみじみ思うことが多々あります。(笑) |