旅をしていると、宗教について考えることが多くなります。

 

それぞれの国の特有の文化や風習というのは、宗教に根付くところが多く、それを意識せざるを得ません。今回タイに行った時も、街中で仏教やヒンドゥー教を色濃く感じましたし、ヨーロッパやアメリカに行くと、教会がいたるところにあります。海外旅行での観光スポットというのも、宗教施設であることが多いですしね。

 

昨日、いちろうさんが、僕が前にお話したことを記事にしてくださいました

 

日本人のアイデンティティーとして掲載していただいております。

 

この記事にも記載されておりますが、僕は、海外の人と宗教の話になって、日本の宗教はなに?って聞かれると

 

「日本人にもいろいろな宗教を信じている人はいるけど、多くの人は八百万の神と言って、すべてのものに神がいるっていう考えなんだよ。米粒ひとつにも神が宿っているという考え(しかも一粒に7人の神)。ここがキリスト教やイスラム教の唯一神の考えと違うところ。宗教というより伝統文化的な感じだけど、総称すると神道ってことになるのかも」

 

と答えています。そんな話をすると、結構びっくりされます。全く考え方が違いますからね。

 

「たとえば、ギリシャ神話の世界。アポロンは太陽の神、ポセイドンは海の神でしょ。考え方としてはあれに似ていて、すべてのものに神が宿るって考え方なんだ。八百万っていうのは、8 Millionsっていう意味で、つまり、いっぱいってこと」

 

というと、だいたいふーんそうなんだ と言ってくれます。

 

日本人は無信教だという人がいまし、最初は僕もそうだよなと思っていたのですが、旅を続けるうちに考えが変わってきました。神道というと、「右翼」や先の大戦中の「国家神道」と結び付けて考えがちですが、一歩引いて考えてみると、実は僕らの生活は知らず知らずのうちに神道の行事が組み込まれています。

 

お正月には、門松に鏡餅、そして初詣に行っておみくじ。子供が生まれたら、お宮参りに七五三。年齢を重ねれば厄除け。春や秋のお祭りでおみこし担ぎますし、家を建てるときには、地鎮祭。お寺=仏教と明確に分かれているものとそうでないものがありますが、いずれにせよ日本古来の伝統の原点は多くの場合、神道にあります。

 

お彼岸やお盆も仏教行事と思われがちですが、もともとは神道に原点があるそうです。そして仏教の場合は仏様を通じてご先祖さまを供養しますが、神道の場合はご先祖さまが神そのものになるという考え。実家にある仏壇にも、虹の橋を渡った祖父母や叔父、そして、愛犬の写真が飾ってあり、お参りする時はどちらかというと、写真の方を見てお祈りしちゃいます。

 

今回いちろうさんに教えてもらって、なるほどーと思ったのは、お箸。中国や韓国ではお箸は、ナイフとフォークのようにお皿の脇に縦に起きますが、日本は手前に横に起きます。これは結界を表していて、手前が現世、奥は神聖な場所ということなんだそうです。手をあわせて「いただきます」と言って、命をいただく。これもまた神道に起源のある話でした。

 

さらに、いちろうさんもおっしゃっていますが、唯一神を強く信仰している場合には、どうしても、他の神の存在を認めることができず、それを元に戦争が起きることもあります。神道のように、八百万の神の信仰(というほど強い信仰ではなく、感謝と言ったほうが良いかも)の場合は、他の宗教の神も、まあ、いろいろいる神さまの一人だよな くらいにしか思わないので、争いには発展しにくいのだろうと思います。太平洋戦争ではそれが悪い方向に作用したのも事実ですが…。

 

僕がタイに行って感じたように、外国人が日本に来て、鳥居がたくさんあることに驚くようです。そんな時も、この八百万の神の話をします。そうすると、もっといろいろ話を聞かせて欲しいと、興味をもってくれます。

 

そんな会話のオチ的に使わせてもらっているのが

 

「イスラム教徒は一日に5回お祈りするでしょ。キリスト教徒は毎週日曜日に教会でお祈りするでしょ。神道の場合は年に一回初詣にいくだけでいいんだよ」

 

というと

 

「おー、それはラクでいいねー」

 

となります。

 

宗教に関しては、いろいろな考え方があると思いますので、以上はあくまでも僕の所見ですし、僕自身も神道を正確に理解できているわけでもなければ、敬虔な神道信者というわけでもありません。

 

このサイトが比較的わかりやすく説明してくれているなと思いました。

 

 

*備忘禄として。本日、日曜日からのヨーロッパ出張のビジネスクラスへのアップグレードが落ちてきました!出発4日前でした。で、なぜか帰国便のものも同時に落ちてきました。これは初めての経験。いつも現地に入ったあとに落ちてきていたので。こちらはフライトの10日前でした。どっちも窓側の良席が指定されていたのは、ダイヤモンド会員の力ですかね。

 

*数日前に書いた「気持ちの良い若者」から、会社宛てにご丁寧なお礼のメールをいただきました。ますます好青年です。