少し前のお話になります。

 

約2週間前の日曜日。ついに、ついに長女の受験が終わりました。自らを律して、昨年の4月から11か月間。とにかく受験勉強に集中していた長女。時には、挫けそうになったこともありましたが、精神的にどん底になってもそこからなんとか頑張って持ち直してきた彼女。親の立場から見ていても、本当にすごいなと思いました。僕自身が受験生だった時の勉強量を10とすると、絶対に100くらい勉強している感じです。

 

試験会場から帰ってきた彼女は、緊張の糸がほどけたのでしょう。親の顔を見て涙していましたが、その後はとっても明るい顔になりました。やり切った感があったのでしょう。

 

受験が終わったその日には、家族で久々の外食です。我が家から歩いて2分ほどのところにある、行きつけのフレンチでのお疲れ様会。オーナーシェフとフロアスタッフの二人でやっているお店で、キャパもそんなに大きくないのですが、この日は満席。僕ら以外に、3組のわりと年配の夫婦が既にディナーを楽しんでいます。

我々は入口に近い4人席へ。最初のセットアップはこんな感じ。

各テーブルに、シガーの灰皿がおいてあります。一つ一つデザインが違って、おしゃれ。

僕は水色。

妻は赤。

次女は黒

そして、長女は黄色です。

 

僕が簡単に挨拶をしたあとに

僕と妻はシャンパン。そして子供たちは水で乾杯です。こういうお店で子供たちはジュースとかを飲みたがらないのです。ジュースでお腹いっぱいになるのは嫌なんだそうです。

 

ここで長女がおもむろに、

 

「さっき手紙を書いてきたから読んでもいい?」

 

といって、この1年の感謝の気持ちを話してくれました。受験から帰ってきて、レストランに行くまで1時間あったのですが、その間に準備をしてくれていたみたい。自分がとても恵まれた環境で受験に望めたことへの感謝の手紙でした。予備校や参考書購入への金銭的なサポートだけでなく、特に妻ががんばった環境面の整備。気分が落ち込んでいた時の精神面のケア。次女が自分の生活スタイルを少し犠牲にして、長女がより快適に過ごせるように配慮していたことなどなど。彼女は僕ら家族のサポートを全部、全部わかっていたんだなーと思うと、胸が熱くなりました。というか、隣で妻はボロボロ涙を流していました。

 

長女の表情は、これまでの少しこわばった感じが一切なくなり、柔和で落ち着いています。この表情を見られただけで、僕の心も穏やかになっていたのですが、こんな手紙を読まれると、やっぱぐっときますね。

 

そんな儀式が終わったところで

一品目の「シガー」が登場。

薄い皮の中に、コーンクリームが入っています。中がアツアツトロトロ。表現が陳腐ですが、コーンクリームコロッケの衣を春巻きにした感じの味といえば、一番伝わるのではないでしょうか。

 

ゆっくり食事をしながら、今度は妻から長女に一言。それが終わるころに

パンがきましたよ。ここのパン、危険なんですよ…。僕はいつもパンはお腹いっぱいになっちゃうので控えているのですが

この豚肉のリエット、パンにつけて食べると最高なんです。

さらに、蜂蜜とマスカルポーネ―も危険。

 

結局それなりに食べちゃいました。

 

その後次の料理が来るまでは今度は次女が長女に贈る言葉。次女がいかに長女を尊敬しているか、友達にも自慢の姉であるかをとうとうと語り、長女はとても良い気分になっていました。

 

その後はあの時こうだった、 あーだったといろいろな話で盛り上がりました。

しばらくしてやってきたのは、アミューズの2品目。満席ということもあり、全般的に料理が出てくるスピードはスローなのですが、話が尽きないので、そんなに気になりません。

2品目は、キャビアのスクランブルエッグ。スクランブルエッグが、え?ってほど濃厚で、上にのせられたフレンチキャビア(赤い方。ます子ですね)と黒いキャビアの塩気に絶妙にマッチ。シャンパンは既にないので

白ワインをいただきましたー。

 

まだ食事は全然序盤戦(アミューズしか出ていないし)なのですが、後半に続きます。