(不夜天にて)
「……という訳です。
早晩*、あちらでも正体がばれるでしょう。
それまで、聞かなかった事にして頂けませんか」
と好老師は優しく笑いかけた。
(微笑んでいる)身震いした宋チョンリン。
「はい、分かりました」そそくさと出て行った。
(蘭室にて)
突然、ランジャンが部屋の外に出た。
ウェイインがその視線の先に目を凝らすと、
座学生数名が、血相を変えて走って来る。
ランジャンに気づき、一人が「走るな」と言い、皆が速度を緩めた。
ウェイインが「何かあったのか?」声を張り上げると、一人が「大変です」と大声を上げた。
また、別の一人が「騒いではいけない」と制すると、黙々と早足で急ぐ。
声の届く所まで、やっと近づくと、先頭にいた者が、「沢蕪君が倒れています」と泣きそうに言った。
ランジャンが「どこに?」
「宿坊を出てすぐの大きな枝垂れ桜の…」
言い終わらないうちに、ランジャンの姿は、木の葉が風にさらわれたかのように見えなくなった。
「シン、ランジャンの後を追え。
チェン、スージュイを呼んで来るんだ。
聶ミン、ジャーハン、座学生たちを頼む」
そう言うと、ウェイインも疾風の如く消えた。
沢蕪君が桜の幹に背をもたれかけ、気を失っている様に見える。
それを座学生たちが遠巻きにしていた。
ランジャンは、「君たちは、蘭室に行きなさい」と言って、沢蕪君を覗き込んだ。
ウェイインと暁シンが同時に着いて、無言で、ランジャンを見て、沢蕪君を見ている。
三人で二言三言交わし、暁シンが沢蕪君を軽々と横抱きにして、寒室へと急ぐ。
(蘭室にて)
しばらくして、スージュイが現れた。
「驚かせてしまって、大変申し訳ありませんでした」とスージュイが頭を下げた。
「沢蕪君には巨師たちもついていますので、大丈夫です」とスージュイに微笑みかけられ、ようやく緊張が解け安堵した座学生たち。
「では、講義を始めましょう。五大世家の歴史、偉大な人物編ですね。
皆さん、それぞれ、これぞ傑物!を決められましたか?
それでは、まずその人物を紹介し、選んだ理由を発表し合いましょう。そのあとの論戦も楽しみですね」
つづく
*早晩(そうばん)…遅かれ早かれ、いずれいつかは。
※藍家家規、少しだけ
立っている時猫背になってはいけない
座っている時だらけた姿勢になってはいけない
騒いではいけない
急いで歩いてはいけない
Q45の答えです
Wang Yibo was born to be a superstar ✨
— 🍉baby Lion🦁 (@CutestWangyibo) 2024年12月9日
His aura is insane the way you can feel it through the screen.#WangYibo pic.twitter.com/qx35r5BBLW
Q46