三次創作小話「忘羨その後」(6-2)




昼食を摂りに、ランジャンは静室に戻って来た。

ウェイインは、文机に向かって、何か書いている。


ランジャンが食卓の用意をして、ウェイインを待っている。


二人で食べ始まると、ウェイインは静かで、元気なく見える。


「皆と一緒に食べるかい」

「いや、けじめはつけないと」


「何を書いていたんだ?」

「座学で使う呪符」


どうにも、話が続かない。

食べ終えると、すぐ、文机の前に座り込んだ。



ランジャンは午後の公務に向かう。

が、仕事に集中できないようだ。


ため息をついたり、いらいらしたり、

ようやく一段落して、文書箱から、書簡を二通取り出し、静室へ戻って行った。



その頃、子弟たちは、悲しい空気にどんよりとしている。


「絶対、ないよ。あのお二人が、別れるなんて」


「でも、含光君の様子は、明らかにおかしかったよな」

「ウェイ師叔も、いつもの明るさが全然なかったじゃないか」



静室の戸を開けると、ウェイインがいない。

「ウェイイン、どこだ」


縁側で、うたた寝しているのを見つけた。

酒甕が三つ転がっている。


ランジャンは横抱きにして、ウェイインを寝床に横たえようとすると、ウェイインに抱きつかれた。


「ランジャン、お前がいれば、寂しくないはずなのに…どうしようもなく虚しいんだ」


「君を慰めさせて」

ランジャンは、愛おしく、ウェイインを抱きしめて、優しく口づけし、優しく愛撫する。


ウェイインは、まるで猫のように、体を擦り寄せ、もっと、もっと、とランジャンを誘う。

つづく