三次創作小話「忘羨その後」(5-13)




「今日は疲れたから、早く寝ようか」

ウェイインはランジャンの左胸に頭をのせ、ランジャンはウェイインの肩を抱いている。


「なあランジャン、暁シンたちの力、どう思う?」

「霊力を感じたのだろう?」


「ああ、手のひらが青白く光っていたよ。

仙師になれる可能性が出てきたな」


二人は幸せな気持ちで、眠りについた。


ところが、

「ウェイイン、だめだ、眠れない。」


ランジャンは、眠りかけているウェイインの体をまさぐり、愛撫してくる。


「こらっ、やめろ」

と思わず、声が出てしまった。


すると、暁シンが「悪者め、覚悟しろ」

避塵を構えて*、ウェイインの背後を睨みつける。


ウェイインが慌てて、「大丈夫だ、何でもないから」と言って、寝床に連れて行った。


「まるで、お前の幼い頃みたいだ。相当な力持ちだな」ウェイインがにんまりとする。


その唇に、口づけするランジャン。


「待て、けっ…」唇に吸いつかれながら、ウェイインは結界を張った。



その夜半過ぎ、ウェイインとランジャンは、夢を見た。


〜〜〜〜〜〜〜〜

「彼の命がいよいよ尽きる」

と天帝が教えてくれました。


「天命はまだ尽きません。なぜ」と問うと、


「死んだ者が生き返る、、、そのような事があってはならない。それが自然の摂理だ。


しかし、彼には天界に昇る資格が十分ある。武神として、天界に迎えたい」

と天帝が仰せになりました。


でも、あなたには天命を全うさせたい、、、

あなた達の生きざまが、私にそう思わせたのです。


これからも、あなた達二人の幸運を祈り続けていますからね。


爸爸*が言いたいことがあるそうです。

話は手短にして下さいね。

〜〜〜〜〜〜〜〜


〜〜〜〜〜〜〜〜

君が生き返ってから三十年も経ったのに、
いまさら、と思っているだろうね。

天界の時の流れは、人界とは違う。
人界の三十年は、天界ではわずか十数日だ。

その上、天界は人材不足で、審判*も遅延している。
先伸ばしになっていた君の採決が、今になったという訳だ。


急に小声になって、早口に話す。
君の妈妈*はすごいんだぞ。

幼い君が彷徨って(さまよって)いた時、
江楓眠に夢を見せて、君を見つけ出させたのは、君の妈妈だ。

でなかったら、この広い天下で、出会うことができたと思うかい?


それから、
君が一度死んでしまった時は、助けてほしいと抱山散人にかけ合った。
涙ながらに食ってかかっていた。

あの相当な石頭の御仁(ごじん)を動かしたんだ。
全く、君の妈妈には恐れ入るよ。ー**

実は、私たちも死の間際、天界から…
老公*、話が長すぎます。
ぷつっと切れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜


*避塵は、並の仙師では振れないほど重い剣です。
*審判…その事を調べ、採決すること

*爸爸、妈妈…パパ、ママ
*老婆、老公…ハニー、ダーリン

*食ってかかる…特に、必要以上に激しい口調や態度で、相手に反論したり、自分の主張を展開したりする。

ー**は、(3-17)「聶ホアイサンの告白」と関連しています。

今日は長文で申し訳ありませんでした🙇







この一枚だけで、ジーンときます。

心身ともに限界のイーボーくんを

そっと慰める、シャオジャンくんの手。


まばゆい美しさドキドキ

2人とも半眼*で、菩薩様のよう。


*半眼…慈悲の目で衆生を見つめている。