「今日は疲れたから、早く寝ようか」
ウェイインはランジャンの左胸に頭をのせ、ランジャンはウェイインの肩を抱いている。
「なあランジャン、暁シンたちの力、どう思う?」
「霊力を感じたのだろう?」
「ああ、手のひらが青白く光っていたよ。
仙師になれる可能性が出てきたな」
二人は幸せな気持ちで、眠りについた。
ところが、
「ウェイイン、だめだ、眠れない。」
ランジャンは、眠りかけているウェイインの体をまさぐり、愛撫してくる。
「こらっ、やめろ」
と思わず、声が出てしまった。
すると、暁シンが「悪者め、覚悟しろ」
避塵を構えて*、ウェイインの背後を睨みつける。
ウェイインが慌てて、「大丈夫だ、何でもないから」と言って、寝床に連れて行った。
「まるで、お前の幼い頃みたいだ。相当な力持ちだな」ウェイインがにんまりとする。
その唇に、口づけするランジャン。
「待て、けっ…」唇に吸いつかれながら、ウェイインは結界を張った。
完
その夜半過ぎ、ウェイインとランジャンは、夢を見た。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「彼の命がいよいよ尽きる」
と天帝が教えてくれました。
「天命はまだ尽きません。なぜ」と問うと、
「死んだ者が生き返る、、、そのような事があってはならない。それが自然の摂理だ。
しかし、彼には天界に昇る資格が十分ある。武神として、天界に迎えたい」
と天帝が仰せになりました。
でも、あなたには天命を全うさせたい、、、
あなた達の生きざまが、私にそう思わせたのです。
これからも、あなた達二人の幸運を祈り続けていますからね。
爸爸*が言いたいことがあるそうです。
話は手短にして下さいね。
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〜〜〜〜〜〜〜〜
君が生き返ってから三十年も経ったのに、
いまさら、と思っているだろうね。
天界の時の流れは、人界とは違う。
人界の三十年は、天界ではわずか十数日だ。
その上、天界は人材不足で、審判*も遅延している。
先伸ばしになっていた君の採決が、今になったという訳だ。
急に小声になって、早口に話す。
君の妈妈*はすごいんだぞ。
幼い君が彷徨って(さまよって)いた時、
江楓眠に夢を見せて、君を見つけ出させたのは、君の妈妈だ。
でなかったら、この広い天下で、出会うことができたと思うかい?
それから、
君が一度死んでしまった時は、助けてほしいと抱山散人にかけ合った。
涙ながらに食ってかかっていた。
あの相当な石頭の御仁(ごじん)を動かしたんだ。
全く、君の妈妈には恐れ入るよ。ー**
実は、私たちも死の間際、天界から…
老公*、話が長すぎます。
ぷつっと切れた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
完
*避塵は、並の仙師では振れないほど重い剣です。
*審判…その事を調べ、採決すること
*爸爸、妈妈…パパ、ママ
*老婆、老公…ハニー、ダーリン
*食ってかかる…特に、必要以上に激しい口調や態度で、相手に反論したり、自分の主張を展開したりする。
ー**は、(3-17)「聶ホアイサンの告白」と関連しています。