『香炉』第二夜より⑶
夢の中の少年ランジャンは、今のランワンジー本人が姿を変えたもの。
夢の中のランワンジーは、本当に自分が今十五歳だと思い込んでいたのです。
gg:ハハハハハハハハハハハハッ…
(ウェイウーシェンは大笑いしながら夢の中から目覚めた)
・・・・・・・
(笑ったせいで、起きた後もまだ震えていて、その震えでランワンジーも深い眠りから目覚め、二人は同時に起き上がった)
(ランワンジーは俯くと、片手でこめかみを軽く押さえながらつぶやく)
dd:先ほど私は…
gg:さっきお前は、ある夢を見て、その夢の中では十五才に戻ってて、二十くらいの俺に出会ったんじゃないか?
dd:…
(ランワンジーは一瞬言葉を失い、凝然として彼を見つめて口を開いた)
dd:あの香炉
(ウェイウーシェンは頷く)
gg:あの香炉から受けた影響が、お前より俺の方が強かったから、効果が残存しててまた夢の中に入っちゃったと思ってたけど、もしかすると、実はお前が受けた影響の方が強かったのかもな。
gg:ああ、俺はもうだめだ、ランジャン、お前がウサギを抱いたまま手放さずに、お前の兄貴と叔父貴が飼わせてくれなかったらどうしようってひどく心配していたあの姿、本当に死ぬほど可愛かったんだから。ハハハハハッ…
dd:…深夜だ。笑い声で他の者を驚かせて、眠りを妨げてはならない。
gg:俺たちが毎晩出している音だって小さくないだろう?お前はなんでこんなに早く目が覚めたんだ?もう少しゆっくり起きてくれれば、お前ん家の裏山までお前を引きずって行って悪いことをしたのにな。
gg:十五歳の小さい藍兄ちゃんに初体験をさせてさ。ハハハハッ…
(ランワンジーは彼が笑いながらごろごろと転がっているのを眺めるだけで何も言わなかった。
そしてしばらくの間じっと端座したあと、突然手を伸ばしてぱっとウェイウーシェンを掴み、彼を押し倒した)