三次創作小話「忘羨その後」(4-4)




その後、三週間、二人で同じ夢は見なかった。

あの夢がなんだったのか、分からないままだ。


ウェイインとランジャンは、もう忘れかけていた。



今日は、暁シンと暁チェンが、彼らの叔父の所にお泊まりに行く日だ。


子ども達は昨日から、わくわくしている。


ランジャンに急ぎの公務(門派同士の争いの仲裁を頼まれた)ができ、急遽、馬車で向かう事になった。


馬車の中で、ウェイインは暁シンと暁チェンに「俺とランジャン、どっちが好き?」にやりと笑う。


「どっちも」と、くすくす笑いながら、答える。


「じゃ、どっちが強い?」

「ランおじさん」


「じゃ、どっちが男前だ」

「ランおじさん」


「じゃ、どっちが賢い?」

「ランおじさん」


「う〜ん」

(何なら、俺って言ってくれるんだ?)


「ウェイおじさんは、かっこいい」

「それに、たのしい」


「あいやー、うれしいぞ」

二人を抱きしめて、頬をすりすりする。


すると、いきなりガタンと車体が大きく揺れた。


途中の山道で、大きな岩に乗り上げ、車輪が大きく歪んでしまった。


もう誰か助けを呼ばないと行くも戻るもできない。


ほどなくして、スージュイが駆けつけてくれた。



叔父宅に着いた時は、昼をまわっていた。


昼食を勧められたが、丁寧に辞退して、御剣で上昇する。

すぐに、煙が昇っているのが見えた。


下をのぞくと、炎が見えた。叔父宅の隣の家のようだ。



暁シンと暁チェンを十分離れた場所に、スージュイと共に残して、ウェイインは火消しの手助けに戻る。


スージュイが「私が行きます。師叔はここにいて下さい」と頼んでも、決して聞き入れてくれない。

つづく





 

ddの剣のお稽古をニコニコしながら見てるggうさぎのぬいぐるみ

振り返ったら、ggが笑ってるから、ddも笑っちゃたニコニコ