三次創作小話「忘羨その後」(5-3)




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今日は、知己編だ。


結局、陰鉄は温氏の手に渡り、雲深不知処は焼き討ちに遭い、沢蕪君は姿を隠した。


この後、悲劇が次々に押し寄せる。


一番過酷だったのは、玄武洞に閉じ込められた時だ。


ランジャンと俺とで、怪物『屠戮玄武』を倒した。二人だからこそ、倒せた。


俺たちは、お互いにその実力を認め合い、命を預け合う同志になってた。


衰弱してる俺のために、ランジャンはある曲を歌ってくれた。


気が遠のいて行く中、その曲名は『忘羨』だとランジャンが言ったらしい。


ランジャンは愛を告白していたのだが、

俺は全く気づいてなかった。


朴念仁*なのはランジャンだと思ってたが、俺の方がもっと鈍かったんだ。



その後、蓮花塢も温氏に乗っ取られ、親代わりの江宗主夫婦が殺された。


それから、色々あって、俺は金丹を失くし、

温氏に捕まった。


そして、乱葬崗に落とされ、凄まじい邪気に抗って、新たな力を手に入れた。


玄武洞で手に入れた暗黒剣を精錬して、『陰虎符』を作った。


陰虎符を使って、悪鬼凶霊を操ることができる様になったんだ。


この時は、温氏への復讐しか考えてなかったからな。


ランジャンは再会した時から、俺が詭道(きどう)を使うのをやめさせようとしてくれてたが、当時の俺には疎ましいだけだった。


「邪道に走れば、身も心も蝕まれていく」

そう心配してくれたのは、ランジャンだけだった。


他の連中は、賞賛してたよ。悪者を退治したからな。


しかし、勝者は驕るものだ。

金氏を中心に、温氏残党に非道を行っていった。


俺は恩を受けたある温氏の一族を助けるために、反旗を翻した。


その時もランジャンが俺をとどめようとしてくれた。


ランジャンになら、殺されても悔いはないと本気で思った。


雨が降ってたなあ。

俺たちは泣きながら、別々の道を選んだんだ。

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つづく



*朴念仁…無愛想で、頑固な分からず屋。

又は、自分への好意(愛情)に気づきにくい人。







2人の触れ合い!

その1


 

その2