三次創作小話「忘羨その後」(4-9)




ウェイイン、ランジャンと暁シン、チェンは、子弟たちと一緒に昼食をとっている。


子ども達は、子弟の間に入れてもらって、かしこまり、いつもより行儀よくしている。


それが可愛くて仕方ない、ウェイイン。

でれっとした締まりのない笑顔になっている。


子弟たちは、規律通りに黙食しているが、子ども達に目を配り、気遣ってくれている。


子ども達は、子弟たちの食べっぷりに感化されて、いつもより食が進んでいるようだ。



昼寝のあと、午後を外遊びで過ごして、

夕食の時間にまた、蘭室に向かう。


配膳のお手伝いをさせてもらうと、

一生懸命で、顔に力が入っているのが、かわいらしい。


少し年上の子弟たちが、面倒見よく、教えてくれている。


そこに、ランジャンもやって来て、

「相乗効果だな」


「兄弟のように共に成長してくれるといいな」口元がほころぶウェイイン。



四人で静室に戻ると、

「二度と子ども達から、目を離さない。

すまなかった」ランジャンが頭を下げる。


「いや、お前の仕事も大事だ。俺がもっと責任感を持たないと、ごめんな」

優しい瞳で微笑み合う。


「二人に寂しい思いをさせたくなくて、ここに連れて来たのになあ、俺たちは、親代わり失格だな」

ほっこりと、つづく



待て待て、話さなきゃならない事が、他にあるじゃないか。


一つ、お前が仙督を辞めたいという件。

...昨日、何があったのか。


二つ、どうやって、禁室に入ったんだ。

...この子たちは。




翌日、

・・・・・・・・

火山灰を吸い込むと、肺の病になる。


灰が混じった水は飲めない、もちろん作物も灰をかぶれば、きれいに洗い流すのは、難しい。


細かい灰が舞い上がらないように、水で湿らせながら、掃除しなくてはならない。

・・・・・・・・


飲み水や食べ物は足りているのだろうか、心配になってきた。


「俺たちが住んでいた家に食糧を運び込んで、炊き出しからやってみるか。

まず、火山灰を片付けなくちゃな」

ウェイインはやる気満々の笑顔だ。


子弟たちを連れて行っても、掃除に丸二日かかった。



二日目の夕方、ランジャンがウェイインを迎えに来た。

つづく





 

この場面の音声を初めて聞きました。