創作小話「忘羨(ワンシェン)その後」(4-8)




翌朝、ウェイインが起きてくれない。

よっぽど、疲れているようだ。


ランジャンは自分のせいだからと、

「仕方ない」

暁シン、チェンを連れて、蔵書閣へ。


二人は、ランジャンの傍らで、大人しくお絵描きなどをして過ごしている。


スージュイが顔を見せて、一礼すると、

ランジャンに手招きされた。


「昨日の一件ですか?」

スージュイに訊かれ、ため息をついたランジャン。


「私の後任に推薦できる者を考えたが、君はどうだろうか」


少しの間、沈黙があり、

「仙督をということですか?」


ランジャンがうなずくのを見て、意味が分からないというような顔で、後退り、逃げて行った。



ウェイインの声が、聞こえてくる。

「…なんで、俺を…、ああ、分かった。

そう急がせるな」


目尻をつり上げたスージュイが、眠そうなウェイインをひっぱって蔵書閣へ。


三人で、ああでもない、こうでもないと言い合っている。


ふと、ウェイインが「子ども達はどうした?」と見回した。

いたはずの所には、散らかった紙だけ。


「大変だ」ランジャンが、琴を奏で、青い光線を放つも、そこら中にある子ども達の足跡が光るだけだ。


拡声術で、「暁兄弟を見た者は、すぐに報告するように」と問いかけても、、、なんの反応もない、しんとしたままだ。


沢蕪君が慌てて駆けつけた。


沢蕪君が、二人の子の生気を探っている。

すると、禁室の前で立ち止まった。

入口にわずかな隙間が見えた。


中に入ると、本を積み上げて遊んでいたらしい、重い本が何冊も床に散らばっていた。


二人は、さらに奥の隅の方で、紙飛行機を作っては飛ばしっこしていた。


ウェイインとランジャンが近づくと、

子ども達は、もう離さないとでもいうように、ぎゅうっと腕に力をこめて、抱きついた。

「すまない」「ごめんな」

つづく






 

奥で回転してる方がすごい👏

山河令の阿シューもアクションはお手のものです。


 

張ジャーハンくんも「フィジカルおばけ」笑