三次創作小話「忘羨その後」(4-6)




「君の見た夢の通りになった。私は一緒に行けない。

子ども達の面倒は兄上に頼んで来たが…」

ランジャンは顔を曇らせる。


「俺一人で大丈夫だ」

笑顔で答えるウェイイン。


「くれぐれも、無理も無茶もしないでくれ」

ランジャンは後ろ髪を引かれる思いで出て行った。



ウェイインが暁シンと暁チェンを連れて寒室に向かうと、二人が嫌がる。

沢蕪君のことは大好きなはずなのに、、、


ウェイインと一緒に行く、叔父さんの所に行くと言い張る。


一年前のあの時と同じだ。

俺たちと一緒にいたいと、離れようとしなかった、頑として、、、あの時と同じ表情だ。


沢蕪君が「それでは、私も一緒に行きましょう」と言うと、子ども達は大喜びで、沢蕪君に抱きついた。


ウェイインはあきらめて、沢蕪君に、夢の話を聞いてもらった。

・・・・・・・・



御剣で飛んで行ったが、やはり昼をまわってしまった。


まだ、何も起きていないようで、安心した。


門の前で、しばらく待ってみた。どうやら火災は起こらないようだ。


その時、裏手の穏やかな山々の方から、ドゴーンというくぐもっているが、強い衝撃の爆音がした。


と同時に、もの凄い勢いで黒い塊がこちらめがけて飛んでくる。


驚きと恐れで、刹那、動けない。


暁シンに手を強く握られ、我に返り、暁シンを抱き上げ、家に向かって走り出す。


暁チェンを抱いた沢蕪君は一歩前を走っていた。


あとからあとから飛んで来る大石と真っ赤な火を噴く山が視界に入った。


家の中に入ると、沢蕪君が結界をはった。



しばらくすると外が静まり返った。

外を窺うと、断続的に灰が降り、みるみる積もっていく。


「この灰が広がる前に、子ども達を連れ返った方がいいと思います」


沢蕪君がウェイインに言うやいなや、

二人の子の叔父が答えた。


「私もその方が安心です。お願いします。」


「手助けに戻って来ます」

ウェイインには、それが精一杯の励ましの言葉だった。



静室に戻り、ほっとしていると、

ランジャンが帰って来た。その目つきがいつもより更に険しい。

つづく





 

4曲、どれも素晴らしい。癒されましょうさぎのぬいぐるみ