I 三次創作小話「忘羨その後」(3-13)




次の日には、ウェイインはランジャンに話しかけはする。

けれど、いつもの冗談もからかいも、笑顔も、ない。


暁シンと暁チェンの話はしなくなった。


夜は「寒い寒い」と言って、体を擦り寄せてくる。

ランジャンは誘われるまま、ウェイインを抱く。


が、掻き抱けば抱くほど、ウェイインの心に壁を感じるランジャン。



一週間ほど経って、スージュイから伝文が届いた。

もう雲深不知処に戻らなくては、、、


引っ越しの荷造りをしていると、暁シンと暁チェンが来た。


目一杯遊んで、ランジャンお手製の夕食を食べて、御剣で送って行って、別れた。


二人の叔父に、元の住処に戻り、ここにはもう来ないだろう。と、今までの礼を言って別れた。


ウェイインは無言だ。

一旦、口を開けば、感情があふれてしまうから。



次の日の日暮れ時、血相を変えて、飛び込んで来た男。


いつも暁シンと暁チェンの送り迎えをしていた下男だ。


「こちらに、坊ちゃんたちが来ていないでしょうか」


「気付けば、朝から誰も見ていないと、大騒ぎになり、皆で捜し回っている」と言って、


「来ていない」という返事を聞くと、またすぐ飛び出して行った。



ウェイインはランジャンに伝文した。

(早く帰って来てくれ) 家の辺りを捜し歩く。

「どうしよう、俺たちのせいだ」


と、空に光るものが見えた、ランジャンだ。

屋根の上で、ランジャンが琴を奏でると、青い光が一帯を照らす。


庭の隅に光輝いているものが見える。


一番奥にある小屋の前に小さな木刀が落ちていた。


その小屋の中には、ウェイインとランジャンが作った色々な玩具が入っている。


りんごちゃん型の木馬、(ひとりでに転がる)まり、(呪符を付けて走らせた)車、などなど。


その中に暁シンと暁チェンがいた。

二人は連れ戻されないよう、隠れていたが、

どうやら泣き疲れて寝てしまったようだ。


ウェイインがへたり込んで、号泣している。

すると、目を覚ました二人の子が、ウェイインの頭をよしよしし始めた。

ランジャンは三人ごと抱きしめた。



その後、色々とあった。

結局、暁シンと暁チェンが、ウェイインとランジャンから離れない。頑として。


仕方なく、期限付きで二人を雲深不知処に住まわせることとなった。


仙師でもその他の道でも、充分な教育をすることを約束した。


ウェイインはすっかりご機嫌に戻っている。


「今思うと、肉親と引き離す資格が自分にあるか。

自分にもし肉親がいたなら、と自分を憐んでいたんだと思う。

八つ当たりして悪かった」

とランジャンに許しを請う。


二つの心と体が重なり合う。


ランジャンは久しぶりに、体とともに心も一つになる悦びに浸っている。

つづく






肩をぶつけるのは「好き」を伝える方法⁉︎



挑眉🤨🤭


 



日本大好きな韓国人ブロガーさんから聞いた

ぺしゃんこにつぶれたクロワッサン、

セブンイレブンで見かけたので、買ってみました!