三次創作小話「忘羨その後」(3-11)
木枯らしが吹き、落ち葉が渦を巻いています。
かさかさと乾いた音を聞けば、かの人の温もりが恋しくなります。
「ウェイ師叔」
声のする方を見ると、スージュイが笑顔で走って来る。
「どうした?珍しいなあ」
ウェイインが落ち葉かきの手を止めて、目を細めて笑っている。
「ようやく時間が取れました。
どうなさってるか、心配で、あと一ヶ月ほどで、静室の修繕も終わります。
そうしたら、帰って来て下さいますよね」
と一気に話して、一息ついた。
「含光君はお留守ですか?」
「買い出しに行ったけど、もう帰ってくるよ。ほら、噂をすれば、だ」
「今日は朝から、沢蕪君が、いつになったら二人が帰ってくるのかって寂しそうで、」
「わかった、スージュイ、話はゆっくり聞くから、とりあえず、手伝ってくれ」
とウェイイン。
「焼き芋食べたくないか?ランジャン」
「では三人でやろうか」
ランジャンがスージュイに目配せする。
煙に目をしょぼつかせながら、火にあたり、芋を頬ばっている。
三人はたわいもない会話をして、笑い合う。
「では修繕が終わりましたら、知らせを送りますので」と言って、スージュイは帰って行った。
「今日は燗にしようか?」
ランジャンがお酌して、ウェイインがぐびっと呑んで、を繰り返し、珍しく黙っているウェイイン。
酒のおかわりを取ってこようと立ち上がったランジャン。
その裾をつかんで、上目遣いに、ぽつりと言った。
「ランジャン、子どもがほしい」
ウェイインの目が潤んでいる。
「無理だよな」ふん、と鼻を鳴らす。
ランジャンはウェイインの顔を両手で包み、額に口付けし、大きな胸に抱きしめる。
「君が望むなら、養子を迎えよう」
(その言葉だけで充分だ)
「ランジャン、俺は幸せ者だ。
こんな優しい旦那様は他にいないよ。
お返しに何かしてほしいことはないか?」
ランジャンは顔を両手で隠し、
「久しぶりに風呂で、」
真っ赤な顔が隠しきれてない。
(か、かわいい)どきまぎして、まともにランジャンを見れないウェイイン。
「そそ、そうだな。二人で風呂に入るのは禁止されてたからな」ー*
湯舟の中で、ウェイインが後ろから抱きしめられている。
首筋に噛みつかれ、肩に痛いほどの接吻をされ、ウェイインはランジャンの腕に爪を立てる。
何度も何度も突き上げられる。
絶頂感と共に意識が薄れていく。
つづく
*風呂おけを月に一度は壊していたので、
沢蕪君がにこやかに言った。
「湯船の中に、二人一緒に入らないようにね」
これからっていうシーンですか?
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— Olya ʕっ••ʔっ🌕☀️ (@Okcd_aktf) 2024年6月11日