三次創作小話「忘羨その後」現代版(84)
ggは「38-1」からの、最もセリフが多い場面だ。
その場面が終わった後、振り返って、ddが誰か(ジャンチョンたち)に笑いかけているのを見た。
gg「ああ、とてもハッピーだよ」
ggは無表情で、地面に座った。
gg「俺は、お前と遊ぶ時間がない、だから、すぐに他の誰かを見つけよう。
ああ、お前の愛は消えたのか」
ddは、何か悪いことが起きていると気づいて、すぐに笑い顔になった。
dd『終わった。私の兄(gg)は、怒っている』
【ランジャンは、何もしない!】
ソファに寝かされたランジャンに、ウェイインは説教している。
ランジャンママが、キッチンカウンターで何やら、作業中なのが見える。夕食の支度だろうか。
パパは、そのそばで、手伝っているのか、邪魔しているのか。
「お前はなあ、俺に看病させるのは、何度目だ?」
ウェイインが、指折り数え始めると、その手をつかみ、『分かってる、ごめん』と謝るランジャン。
『いつも私を助けてくれるのは、君だって分かってる』
ウェイインは、キッチンの方をチラッと見て、顔をランジャンに近づけ、小声で言った。
「今日、お前を助けたのは、俺じゃない」
・・・・(省略)・・・・
『…』
「信じられないよな。俺も夢でも見ていたような気がするんだ」
「でも、もし本当だったら、代償ってなんだろう」
その夜、真夜中すぎに、ランジャンがうなされて、目を覚ましたウェイイン。
ランジャンの頬を叩いて、「目を覚ませ」
ランジャンは、『龍が、龍が、やめろ』と叫び、目をカッと見開いた。
額の脂汗を拭い、『変な夢を見た』
心配して、のぞき込むウェイインの頬に手をあてて、『ごめん、大丈夫』と言って、疲れた表情で眠ってしまった。
翌朝、起きると、雨が激しく降っていた。
「どこにも行けないな」
学生や子ども達は、ウェイインとランジャンを残して、昨日のうちに帰って行った。
遅い朝食をすませると、ランジャンママが、
〈ごめんなさい。預かってた“ひな”が逃げてしまったみたい。不思議なのよね〉
ランジャンは、いつも以上に無口で、ウェイインに触れようともしない。
ランジャンママも、息子の異変がウェイインのせいでなければ、なぜなのか、知りたがった。
ウェイインは、昨夜のランジャンのうわごとが気になっていた。
「龍が、原因かもしれません」
そう言って、森から龍を連れ帰った一部始終を、ママに話した。
・・・・・・・・
〈私が“ひな”だと思っていたのが、龍の子どもだったってこと?〉
〈それが姿を消した事と、ワンジーの変調には関連があるらしいのね〉
まるで、ウェイインが空気にでもなったかのような扱いに、
「ランジャン、俺を無視しているのか?」
『ごめん、何もする気が起きないだけだ』
ランジャンの目は、ウェイインを見ているようで、焦点が合っていない。
ウェイインは、ふて腐れた*。
「ああ、俺は一人でもハッピーだ」
ランジャンはウェイインに一瞥をくれただけだった。
夜になっても、何もしようとしない。
ランジャンの隣に寝そべり、身体をすり寄せて、あちこち撫でまわしても何の反応もない。
(お前の愛が消えてしまった?
そんな、そんなこと、だめだ!いやだ!)
ウェイインはランジャンに背を向け、声を殺して泣いた。
つづく
*ふて腐れる…不平不満があって、投げやりな態度や反抗的な態度をする。
イボくんの日本語です!
https://x.com/nagu_168/status/1515659422336372737?s=46&t=BKI2Vjbw7xegQeZ79lADgw
これは前にも紹介したかも。
https://x.com/cher0805/status/1788139369305702874?s=46&t=BKI2Vjbw7xegQeZ79lADgw