三次創作小話「忘羨その後」現代版(76)



gg「ランジャン」

gg「さすが含光君だな」

dd『君もさすがはウェイインだ』

dd『ウェイイン』










【サマーバケーション】



スクールバス1台とキャンピングカー2台が、連なって走っている。


バスには、大人5人、子ども15人。


歌ったり、言葉遊びをしたり、犯人当てゲームや、ビンゴゲーム、、、遊んでいるうちに、波止場に着いた。


子ども達は、船に乗るのが初めてで、海を目の前にして、浮き立っている。


キャンピングカーから降りてきた剣道同好会の学生6人は、ボランティアの学生と交じって、

子ども達にライフジャケットを着せている。


やがて、濃い霧の中から、ボーという音が聞こえると、いきなり、目の前に大きな白い船が姿を現した。


その魔法のような光景に、テンションが上がる。


ウェイインがバスの中に忘れ物がないか、点検していると、ランジャンがドアからのぞき込んで、

『ウェイイン、急げ。船が出る時間だ』


波止場まで戻ると、船は後退を始めていた。

甲板で、学生たちが手を振っている。

「あいつら、楽しんでるな」


ランジャンは、ママに電話をして、

『予定通りに船に乗った。迎えをお願い。

子ども達には、ボートを出してやって。


『俺とウェイインは、乗り損なった。

明日の船で行く。うん、よろしく』


「ママ、怒ってなかった?」

『いつも通り、大笑いしてた』


「俺、お前のママ、大好きだ」

『来年には、君のママだ』


砂浜を手を繋いで歩いていると、いつの間にか、霧が晴れていた。


すると、海上スポーツを楽しんでいる若者たちが見えてきた。


「あれやってみたい」

『フライボード、面白いぞ』


「あれは?」

『ウェイクボード、いろんな技があるんだ』

『行ってみようか、でも、予約できるかな?』


スマホをいじっていると、

『ウェイクボードなら、空きがある。行こう』

「やったー」


1時間のコースだと聞いて、「もっと、やりたいな」口を尖らせる。


『いいから、やってみて』

ウェイインは、すぐに、コツをつかんで、簡単な回転技まで、できるようになった。


「ランジャン、上手いな」

『子どもの頃からやってるから。ウェイインもさすがだ。初めてで、あそこまでできるなんて』


二人は終始、笑い合い、あっという間に1時間が過ぎた。


ボートから降りて、砂浜を歩くと、足が重い。

と思ったら、疲労感がどっと襲ってきた。


「ランジャン、山登りした後みたいだ。体がきつい」


ランジャンは、笑って、

『だろ、これは、日ごろから身体を鍛えてないと、体力がもたないんだ』


2人で、撮影してもらった写真をみて、大笑いしていると、ママからメッセージが。


〈近くにホテルをとっておいたから。

お酒は呑み過ぎない事〉


ウェイインに見せると、「俺は、砂浜で夜を明かしてもいいんだけどな」

『そうする?』


「でも、ママのせっかくの気持ちだから、甘える。それに、お前とホテルなんてハネムーンみたいじゃないか」


「なんか、燃えるな」にこっと笑う。


ランジャンは、体中から汗が噴き出した。顔がほてって仕方がない。

つづく