gg「さすが含光君だな」
dd『君もさすがはウェイインだ』
dd『ウェイイン』
【サマーバケーション】
スクールバス1台とキャンピングカー2台が、連なって走っている。
バスには、大人5人、子ども15人。
歌ったり、言葉遊びをしたり、犯人当てゲームや、ビンゴゲーム、、、遊んでいるうちに、波止場に着いた。
子ども達は、船に乗るのが初めてで、海を目の前にして、浮き立っている。
キャンピングカーから降りてきた剣道同好会の学生6人は、ボランティアの学生と交じって、
子ども達にライフジャケットを着せている。
やがて、濃い霧の中から、ボーという音が聞こえると、いきなり、目の前に大きな白い船が姿を現した。
その魔法のような光景に、テンションが上がる。
ウェイインがバスの中に忘れ物がないか、点検していると、ランジャンがドアからのぞき込んで、
『ウェイイン、急げ。船が出る時間だ』
波止場まで戻ると、船は後退を始めていた。
甲板で、学生たちが手を振っている。
「あいつら、楽しんでるな」
ランジャンは、ママに電話をして、
『予定通りに船に乗った。迎えをお願い。
子ども達には、ボートを出してやって。
『俺とウェイインは、乗り損なった。
明日の船で行く。うん、よろしく』
「ママ、怒ってなかった?」
『いつも通り、大笑いしてた』
「俺、お前のママ、大好きだ」
『来年には、君のママだ』
砂浜を手を繋いで歩いていると、いつの間にか、霧が晴れていた。
すると、海上スポーツを楽しんでいる若者たちが見えてきた。
「あれやってみたい」
『フライボード、面白いぞ』
「あれは?」
『ウェイクボード、いろんな技があるんだ』
『行ってみようか、でも、予約できるかな?』
スマホをいじっていると、
『ウェイクボードなら、空きがある。行こう』
「やったー」
1時間のコースだと聞いて、「もっと、やりたいな」口を尖らせる。
『いいから、やってみて』
ウェイインは、すぐに、コツをつかんで、簡単な回転技まで、できるようになった。
「ランジャン、上手いな」
『子どもの頃からやってるから。ウェイインもさすがだ。初めてで、あそこまでできるなんて』
二人は終始、笑い合い、あっという間に1時間が過ぎた。
ボートから降りて、砂浜を歩くと、足が重い。
と思ったら、疲労感がどっと襲ってきた。
「ランジャン、山登りした後みたいだ。体がきつい」
ランジャンは、笑って、
『だろ、これは、日ごろから身体を鍛えてないと、体力がもたないんだ』
2人で、撮影してもらった写真をみて、大笑いしていると、ママからメッセージが。
〈近くにホテルをとっておいたから。
お酒は呑み過ぎない事〉
ウェイインに見せると、「俺は、砂浜で夜を明かしてもいいんだけどな」
『そうする?』
「でも、ママのせっかくの気持ちだから、甘える。それに、お前とホテルなんてハネムーンみたいじゃないか」
「なんか、燃えるな」にこっと笑う。
ランジャンは、体中から汗が噴き出した。顔がほてって仕方がない。
つづく