![合格](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/304.gif)
三次創作小話「忘羨その後」現代版(1)
![気づき](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/675.png)
※動画は削除されました。
【君が、大好きだ!】
ここは、故蘇高校、剣道部のロッカールームです。
[はい、先生、僕がやります。僕がやりまあす]
金グアンヤオが、ウェイインを真似て、右手をまっすぐ挙げ、ぴょんぴょん跳ねながら言うと、周囲に大ウケしている。
それをかき消すかのような大声で、
『私はかわいいと思う』
とランジャンが言った。
また、バカにするような笑いがどっと起こった。
ドアの外で聞いていたウェイイン。
ぎゅっと握りしめた拳が、ぶるぶると震えている。
力まかせにドアを蹴って、
「今、言った奴、出て来い。勝負しよう」
金グアンヤオは、誰かの背中に隠れて、ほくそ笑んでいる。
ランジャンは立ち上がり、『悪かった』
[違う、ランジャンじゃない]
ホアイサンが止めようとするが、悔しさで怒りを抑えられないウェイイン。
ウェイインはランジャンを睨みつけ、
「道場へ来い」
2人の勝負は、決着がつかない。
そこへ、生徒たちをかき分けて入って来たのは、ラン先生だ。
〈君たちは、何をしている。2人とも、ついて来なさい〉と、一喝した。
とくとくと*説教され、ランジャンは、すっかりしょげている。
一方、ウェイインは、まだ、ぶうたれて*いる。
〈罰として、2人で、道場の床磨きをしなさい。
ピカピカになるまで〉
皆が帰った後、
2人は、黙々と床を磨いていたが、
ウェイインが大の字に寝転び、
「もうやめた。」
ランジャンは、丁寧に、磨き続けている。
ちらっと、ウェイインを見て、
『後は私がやる。帰っていい』
「お前さ、いつも俺をからかって、楽しいか?」
『…』
「お前、俺の前から、消えてくれよ」
『いやだ』
「俺が嫌いだから、ああいうことを言って、バカにしてるんだろ」
『本当にかわいいと思っている。君を傷つけたなら、すまない』
「ったく。男がかわいいとか言われて、うれしいと思うのか?」
涙声に聞こえ、ランジャンは驚いて、ウェイインの顔を見る。
『なぜ、泣くんだ?』
「なんだろうな。好きな奴に嫌われてるからかな。
じゃ、後はよろしくな」
立ち上がり、戸口に向かう。
『ダメだ、行くな。誤解してる』
ウェイインが振り返ると、
『私は、私は、、、君が大好きなんだ』
ウェイインは目を見開き、凍りついた。
ランジャンは一目散に逃げ出した。
(やっぱり、バカだな、あいつ。こういう時は、抱きしめるもんだろ)
「おーい、待てよ。待たないと、もう口聞かないぞ」
ウェイインはランジャンの背に抱きついた。
つづく
初々しい恋の、始めの一歩です
*とくとくと…得意そうに、誇らしげに。
*ぶうたれる…愚痴や不満を言う。ぶつぶつ文句を言う。
![おねがい](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/005.png)