【書評】フォーカス・リーディング | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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さて、本日はこちらの速読術の本です。


「1冊10分」というキャッチコピーを掲げているのは、著者の寺田 昌嗣さん


ご自分で、速読術の研究をされている方です。




速読術には、大きく分けて、「右脳系」「左脳系」の2つの種類があります。


○右脳系:写真のごとく、瞬時に潜在意識に読み取る読書術

○左脳系:目の動きや視野の広げ方など、物理的早さを追求する読書術




寺田さんのノウハウは、「左脳系」のスタンダードです。


むしろ、「『右脳系』は自分には馴染まない」として、否定する向きすらあります。


僕自身は、どちらかと言うと「右脳系」なのですが、「左脳系」の読書術の中でも有名な、この著書を読んでみようと思ったのでした。



それでは、早速、「寺田式速読術」の解説をして参ります。




①構成要約

<理論編>

1. あなたがはまりがちな「読書のワナ」
ここで寺田さんが注意を喚起しているのは、「要領の良い読書」と「勘違い系の読書」の違いです。
要するに、「読書から何を得るか」というポイントをしっかり把握し、「要領良く」読書をすることが重要、という主張です。
「楽しい読書」と「身に付く読書」とは違う、と言うんですね。
読書をすると思考力がつく、と言われていますが、寺田さんは、読み方によっては、むしろ低下する、と警鐘を鳴らしています。


2. 読書に何を求めるのかはっきりさせる
これは、読書術について書かれている殆ど全ての本で共通して解説されていることです。
そもそも、何のために読書をするか、という目標をしっかり定めないと、効率良く学ぶことが出来ません。 勉強と一緒ですよね。
リターンを最大化する「コスト試算」とは?



<鍛錬編>

1.  速読は体育会系のノリで身につける
「読書はスポーツだ!」というくだりから始まります。松岡修造かい(^_^)
要は、「反復練習」の重要性を説いているのです。
しっかりと基礎を学び、それを繰り返し練習することが、速読の早道だと、寺田さんは仰っています。
そのために必要なのは、「心」「技」「体」を学ぶこと!


2. 「体」を極める
これは、他の速読術の本でも重視されていますが、本を読むときの「姿勢」が重要だそうです。
寺田さんによると、立ち読みか正座が良いんですって。
目的は、「気が散らない」こと。
姿勢を正し、集中力を高め、一点集中するのです。
まずは、体の感覚を鍛えていきましょう^^


3. 「技」を極める
次のプロセスは、「理解するための技」を身につけること。
ここで紹介されているのは、スキャニングとスキミング
これは、欧州のエスタブリッシュの間では、よく取り入れられている方法です。
大切なところだけ「フォーカス」して読むんです。
効率良く「読んだことを身につける」ために、とても有効なノウハウなんです。


4. 「心」を極める
一番重要なのは、ここかも知れません。
この稿を興味深く読んでいらっしゃる読者の方は、きっと速読に興味をお持ちの方ですよね。
では、「何故速く読む必要があるのでしょうか?」
アンテナと受け皿を広げるために、心の持ち方が重要なんです。
目標設定と同じですが、「速さ」に対する価値をしっかり設定することが重要です。
「心が実践を生み、実践経験が心と体を強くする」
「意識」の持ち方によって、自分の中に入って来る情報に変化が現れ始めます!



<実践編>

最終講義 フォーカスの力を最大限引き出す読書術
寺田さんが、最終的な結論としているのは、「戦略的な積ん読」です。
本は、「これまで」と「これから」に分けることが重要、と言います。
一度だけで良い本と、何度も読み返す本を分けること。
それが、読書からアウトプットを引き出すためのコツなんだとか。
そして、読書の時間は「天引き」すること。
そうすれば、自分の予定がどんなに変わっても、一定の量を読むことが可能になります。
アウトプットも手段の一つなので、読書メモに時間がかかるくらいなら、線や付箋で良い、とも仰っています。
本は重ねて読むことに価値がある。
だから、1回目は10分で良いのです!



②所感

さて、僕の中ではすっかりライフワークとなりました、速読研究。

今回は、「積ん読」に重点を置いた、この著書をご紹介させて頂きました。

タイトルがキャッチーに設定されていますが、寺田さんが言いたいことをまとめると、

「何度も読むことを前提としてるから、1回目は10分で良い」

ということかな、と。

逆に言うと、あまり役に立たない本でも、10分で処理出来るというメリットもあります。

寺田さんは、「多読」に否定的な考えをお持ちですが、僕は逆に、「多読」をするために必要なノウハウがたくさんあるな、と僕は感じました。

僕は、「多読」を日課にしており、メリットも充分感じていますが、1冊にかける時間を短縮することは、命題でもありますので、そういう意味では、「1回目」にかける時間を効率化するのに、とても役立つ本だったと思います。

この本を読んでから、1回目は「線を引きながら読む」ことは放棄し、「ザッと内容を把握する」ことに注力しています。

そもそも、僕は書評を書いていますので、どの道「2回目以降」がある訳です。

そう考えると、今まで以上に「多読」へのハードルが低くなりました。

そして、更なるスピードアップへつながったという実感があります。

ゆっくり楽しみながら読書するやり方も、勿論良いことだと思いますが、特に経営者の方など、「限られた時間で効率良く」読書したい方には、一度このノウハウを知っていて、損にはならないでしょう。

僕の結論としては、速読術に関する本も、様々な種類の本を読むことで、どんどん「いいとこ取り」が出来、更にスピードアップと効率化につながると思います。


是非とも、参考にしてみてくださいね(^_^)




③こんな方へオススメ

1. 速読の基礎を勉強してみたい方
2. 「たくさん読む」より「何度も読む」派の方
3. 左脳系の方










本日も最後までお読み頂き、誠に有り難うございました!


皆様との良きご縁に深く感謝申し上げます m - - m



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