皆様こんばんは!
さて、今日は「心の風邪」と言われる「うつ」について書かれているこの一冊をご紹介致します。
「うつだから強くなれる」
というのは少し誇張表現だとは思いますが、
私がこの本を見るポイントとして挙げているのは、以下の二つです。
○「うつ」は決してネガティブなものではない
○ 何かを「克服」することで生まれるものがある
まず、前提条件として、この本を手に取る人は、きっと「うつ」という病気が身近にある方でしょう。
そうでなければ、あまり興味を持って手に取るタイトルでは無いと思います。
現代では、「うつ」は決して珍しい病気ではありません。
特に、私のいるIT業界は、鬱病になる人の比率が高い業界としてよく知られていますし、実際に鬱病になってしまった知人を何人か見て来ています。
因に、著者は鬱病の経験者です。
私自身も、幸い集中治療を要するレベルでは無かったものの、軽い「うつ」になって数ヶ月休職した経験を持っています。
「うつ」を身近に経験している方には、とても共感出来る部分が多い書籍だと思いますし、またあまり馴染みが無い方には、「うつ」という病気の特性について少しでも知って欲しい、という思いで取り上げさせて頂きました。
まず始めに、
あなたの「うつ」度診断を試してみてください。
殆ど当てはまる方は、一度専門医やカウンセラーに相談された方が良いかも知れません。
心の疲れが取れない
不安が長続きする
問題が頭から離れない
自分を責める
よく眠れない
何かをやろうとしても体が動かない
如何でしょうか?
因に、私が「うつ」に掛かった時の症状は、この項目全てが当てはまりました。
本当に、今思い出してもとてもつらく孤独な時期でした。
この時は、今のように毎日夢を持って何事もポジティブに生きている将来の自分を想像することが全く出来ませんでしたね。
それでは早速解説ですが、
まずは、「うつ」に対する予備知識として、「うつ」に掛かりやすい人の特性を分析した部分を抜粋します。
◯うつに掛かりやすい人の特徴
① 真面目で繊細
② 責任感が強い
③ 心のセンサーが敏感
④ 妥協せずにまっすぐ生きる
⑤ 何事も深く考える
⑥ 理想が高い
⑦ 欲しいものを譲らない
共通して言えるのは、
「矢印を自分に向ける」という部分だと思います。
不満を他人にぶつけたり愚痴ったりして発散出来ず、でも自分の中で強いこだわりがあって妥協する事が出来ない。
こんな人が危険だと、著者は説明しています。
以前の私も、非常にこれに近いメンタリティを持っていました。
私の場合、②~⑥がまさに当てはまります。
正確に言うと、今でもこれはあまり変わっていないのですが、「うつ」を克服することによって、以下のように心の動きが変わりました。
②責任感が強い
→自分が出来ることは限られていると知り、人に依頼することを覚えました。
③心のセンサーが敏感
→「マイナス」に感じることは、極力目の届かないところへ遠ざけるようにしました。嫌いな人間とは必要以上に関わらないとか。
④妥協せずにまっすぐ生きる
→出来ないことに対して「何故?」ではなく、「どうしたら」うまくいくかを重視するようになりました。
⑤何事も深く考える
→今でも物事を深く考えますが、ブログなどで「形」にすることで「内」に籠らないようにしました。
⑥理想が高い
→夢を叶えられない自分を責めるのではなく、まず今の自分を受け入れた上で、それを叶える方法を貪欲に探るようになりました。
このように、あまり性格自体は変化していないのですが、「自分」に対する向き合い方を変えることによって、問題を解決出来るようになりました。
著者は、このような「うつ」になりやすい性格は、「成功に必要な条件を兼ね備えている」と解釈することにより、鬱病経験者の心を救い自信を持てるように表現しています。
具体的な「うつ」の防止の仕方や、身近な人が「うつ」になってしまった時の対処法など、参考になることがたくさん書いてありますので、色々な気づきがあるはずです。
私自身が一番共感出来たのは、
「うつを克服すると強くなれる」
という部分でした。
つらい経験でしたが、人間的にもビジネスパーソンとしても自分の成長を実感出来、以前よりも色々な意味での「心の強さ」を身につけることが出来たと思っています。
誰でも色々と日々悩む事もあるかと思いますが、私が好きな言葉で「試練は乗り越えられない人には訪れない」という言葉があります。
自分を追い込み過ぎるのは本当に危険ですが、今自分が経験している苦難はそれを乗り越え、成長するための試練、そして乗り越えることが出来るからこそ訪れた「チャンス」なのかも知れません。