こんにちは。高溝です。
爪のコラムも4回目になりました。
出来れば1回目から続けて読んでくださいね。
どうして抗がん剤で爪に障害が起きるのか、どうなってしまうのか・・・その辺は、1回目から3回目でお話してきました。
では、どうやってそれを予防するのでしょうか・・・
「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」2016年度版にも書かれています。

特に、タキサン系薬剤の使用の際に爪障害が起きやすいようです。
それを予防するには・・・やはり・・・冷却手袋の使用が良いようです。

パクリタキセルよりもドセタキセルのほうが爪変化の報告は多いそうです。
私も、日ごろ患者さんと接していて、ドセタキセルの方が、ひどい爪障害を起こしている方が多いと思います。
2005年に行われた調査では、片方の手にフローズングローブ(FG)、反対の手はなにもせず・・・ドセタキセルを使用した場合で臨床試験が実施されたそうです。
その結果・・・爪障害の発現率は、FGの手の方は、11%、何もしない方は51%だったそうです。
爪甲剥離の発現率にいたっては、FGの方は0%で何もしない方は22%と、冷却の効果はあきらかです。
爪甲剥離とは・・・コラム3回目を参考にしてください
また、皮膚障害の発現率もかなり低下しているようです。
またこれは足の爪にも言えることで、フローズンソックスの使用で爪障害の発生率は0%、何もしない方は21%だったそうです。
このように、各部位を冷却することで血管を収縮させ一時的に血流を低下させることで、殺細胞性抗がん剤による毒性の発現率や重症度を低下させることができるのです。
ただ、この実験でも、冷却温度や動作の抑制に対する不満を訴え、途中で離脱する人もいたそうです。
かなり冷たいのでそれを我慢できるのか・・・あとは抗がん剤点滴の前から冷やさないといけないので、かなりの時間何も出来ない状態になります。
それを頑張れるか・・・
先日のお客様も4回の抗がん剤を終え、確認したところ、爪はきれいな状態のまま
回りは本を読んだりいろいろしているけど、何も出来ずに頑張ったと・・・
頑張れる方は、是非やってみてください。
現在、抗がん剤治療中のワタシ高溝もフローズングローブとソックスを持参して冷却しています。
すごく効果を実感していますのでそのあたりはまた別記事で書きますね。
私の通う大学病院では、外来の抗がん剤治療のベッドには、テレビが設置されているのでテレビ見てますね。
両手ふさがってても見れますから・・・
そして現在では、病院でフローズングローブを用意してくれるところは少ないかと思います。
自己責任でやってくださいと言われる
でも絶対冷やした方がいいです!
ただ、以前は、私がこのように患者さんにアドバイスすると、病院で、看護師さんに「エビデンスがないから・・・」とか
冷却に反対の意見を言うところも多かったです。
結構前ですが、「その情報をどこで聞いてきたのですか?」とか、どんな説明をしているのですか?と病院から私のところに電話がかかってきたこともありましたね。
でも、このアピアランスケアの手引き2016版で、はっきりと冷却手袋を考慮しても良いということが書かれていますから、今後ははっきりと言えるので良かったですね。
まとめ
タキサン系の抗がん剤(特にドセタキセル)を使用する場合には、手や足を冷却することで、爪障害や皮膚障害を軽減することが出来る!
現在は、病院で対応してくれるところは少ないようですが、一度聞いてみると良いかと思います。
病院で対応していなかったら自分でも出来ますので、是非やってみてください。
次回は、自宅で出来る爪障害の軽減の方法をお伝えします。お楽しみに~