こんにちは。高溝です。
このブログは、「抗がん剤 副作用 爪」というキーワードで検索されていることが多いです。
なので、今日から少し爪についての記事を特集していこうと思います。
「【コラム】抗がん剤で爪に起こること」というカテゴリーにまとめました。
いろいろな本やデータなどに私の施術経験をプラスしたコラムになります。
良かったら連続して読んでみてください。
まず・・・
抗がん剤で爪に何が起こってしまうのか・・・
抗がん剤は、細胞分裂が活発なところに作用します。
爪というのは、毎日下の図のオレンジの部分、爪母(ネイルマトリクス)という部分で
細胞分裂を繰り返していて少しずつ伸びているんです。
爪は、先端が伸びているわけではなく、根元から伸びてだんだんと先端に押し出してきているんですね。なんとなく爪は先が伸びると思っている方は多いのではないでしょうか。
たまにドアに爪を挟んでしまって、内出血してしまうことがありませんか?そんなときその内出血の痕って、だんだん先に伸びていきますよね。白い部分まで来れば、やっと無くなります。
まず、爪は根元が伸びているということを理解しておきましょう。

この爪母では、近くの毛細血管から栄養を取り込んで爪を作っています。
抗がん剤の点滴が、爪母の近くの毛細血管まで届いた時に活発に活動している爪母細胞を攻撃してしまうのですね。
それによって爪に障害が出てきます。
上の図を見て頂くと爪母は、実際には、表面からは見えていない部分(ネイルマトリクスの左端)で抗がん剤が作用しますから、目に見えて障害が出てくるのは少し遅くなります。
実際には、抗がん剤投与から1ヵ月、2ヶ月くらい経って変色とか何らかの異常が出てくる場合が多いです。
1回目の抗がん剤治療が終わって、爪は何ともなかったから良かったぁ・・・と安心していると後になって大変なことになってしまう場合もありますから、油断は禁物です。
では、すべての抗がん剤で爪に副作用が出るのでしょうか・・・
これも薬の種類によります。
爪が割れやすくなったり、なんとなく弱くなったり・・・そのような状況は結構たくさんの薬で聞きますが・・・
一番ひどい副作用が出てしまうのが、タキサン系製剤です。
それもドセタキセルの方が爪障害が出やすいということが言われています。
爪が剥がれてしまったり、取れてしまったり・・・
こちらのサロンに、爪の副作用のご相談にいらっしゃる患者さんは、ほぼドセタキセルを使用した方です。
タキサン系製剤は、乳がんや婦人科ガンで使用されることが多いですから、30代、40代の患者さんなど爪の事を気にする方も増えてきています。
あるデータによると、転移性乳がん患者にドセタキセルを4サイクル投与後の爪毒性の出現率は、58%で、続けて3サイクル投与後には88%まで上昇したことが報告されているそうです。
たぶんこれは何も対策をしていない場合だと思います。
つまり、ドセタキセルを使用すると、特に何も対策をしていない場合には、半分以上の方がなんらかの爪障害を発症してしまうということですね。
どうしてタキサン系製剤で爪毒性が発症するのかについては、いろいろな説がありますが、まだはっきりと解明はされていないようです。
長くなってしまうので続きは次回・・・
次回は、爪の変化に対する予防策を書きたいと思います。お楽しみに~