子供をあまやかすことは、ストレスへの耐性を弱め、感謝の心や自立心の芽をつんでしまうことになります。
過度のあまやかしはマイナスでしかありません。
子供はあまやかしてはいけません。しかし、あまえさせてあげることは大切です。
今まで、愛着障害の症状が見とれる子供たちと出会ってきました。
愛着障害と発達障害は、似たような症状が見られますが、原因が違います。
発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りが原因で、愛着障害は、養育者との愛着の問題が原因です。
愛着とは、幼少期に親などとの安定した感情的なつながり(アタッチメント)を築く過程のことです。
原因が違うので、対応の仕方も異なります。
教師5年目に出会ったAくんは、その症状や養育履歴から、愛着障害ではないかと思われる子でした。
Aくんとの関わりを通して、私は「あまやかすこと」と「あまえさせること」の違いを認識しました。
Aくんは絶対にあまやかしてはいけない子でした。そして、必ずあまえさせてあげなければいけない子でもありました。
私はAくんと共に笑い、共に悲しみ、共に怒りながら、常に味方であることのシグナルを彼に送り続けました。
私が、愛着障害という言葉を知り、理解するようになったのは、Aくんとの出会いから20年以上後のことです。
あの時、私に愛着障害についての知見があれば、Aくんの成長をもっと促せてあげられたのではないかと思っています。
様々な教育ニーズを抱えた子供たちが学校にはいます。
学校現場では「特別支援教育」の重要性が年々高まっています。
「特別支援教育」を深く学び、知見を広げることは、先生たちの大きな力になると思います。