今年の元旦、大きな地震が石川県の能登半島でおきました。
建物が倒れ、津波も押し寄せました。火災も起こりました。お亡くなりになった方、今も行方のわからない方もいらっしゃいます。
能登半島地震を自分の事としてとらえて、自然災害に備える気持ちをしっかりともっていきたいと思います。
先日、勤務先の社会教育施設で防災講座を行いました。30名を超える方が参加されました。
この講座は全3回です。1回目のテーマは「災害後も自宅で過ごす 在宅避難のススメ」でした。
避難とは避難所に行くだけではありません。今日の講座では、在宅避難について学びました。
在宅避難するために必要なことは以下の通りです。
①住んでいる場所の安全確認
②家の耐震性をチェック
③家具転倒を防止する防災対策を行う
④在宅避難用グッズを備える。
私も講座の後、在宅避難に必要な防災グッズを確認したり、損害保険の確認をしたりしました。
ちなみに在宅避難生活に役立つベスト10はこれです。
1位 水
2位 非常食
3位 携帯トイレ
4位 カセットコンロ・ボンベ
5位 口腔ケア用ウェットティッシュ
6位 LEDランタン
7位 からだふきウェットタイル
8位 ポリ袋・ラップ・新聞紙
私たちの国は、自然に恵まれた美しい島国ですが、逃れられない自然災害が隣り合わせで存在しています。
九州から東海まで東西およそ700キロに及ぶ「南海トラフ」沿いで巨大地震が発生した場合、1週間以内に同じ規模の地震が起こる確率は最大77%に上るそうです。
この地域ではこれまでおおむね100年から150年の周期で、マグニチュード8クラスの巨大地震が発生しています。
前回の地震からすでに80年近くたっているので、いつ起きてもおかしくない時期に入り始めているようです。
昨年、政府の地震調査委員会は、南海トラフで今後20年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を60%程度に引き上げました。
このような情報を聞くと不安が広がります。
ところで、私たちが感じる不安感に深く関係しているのが、セロトニンという脳内の神経伝達物質だと言われています。
アメリカの心理学者の研究によれば、セロトニンが十分にあると安心感や、やる気につながり、少ないと不安感やイライラの原因となるそうです。
セロトニンを脳内で運搬する役割を担っている「セロトニン・トランスポーター」の遺伝子型によって、セロトニンが十分に行き渡るかどうかが決まるようです。
セロトニン・トランスポーターの数は遺伝的に決まっているようですが、この数が少ない人の割合が日本人は約97%と、世界的にみても非常に高いそうです。
脳科学者の中野信子先生は、セロトニン・トランスポーターの量が日本人に少ない理由を次のように分析しています。
🔶一つには、日本が災害の多い国だということがいえると思います。つまり、不安が高く、リスクになりそうなことはなるべく避けて、もしものときに備える人でなければ、生き残れなかった。
例えば、水辺の近くに住んだ方が暮らしは便利かもしれませんが、大きな洪水が来ると生活にかかわります。「来年も天候はいいだろう」と楽観して、食糧を全部食べたり売ったりしてしまえば、翌年が日照りになったときが悲劇です。🔶
不安感は決して悪ではありません。
不安感を上手に活用すれば、万全の危機管理と節度ある行動ができます。しかし、不安感を爆発させてしまえば、パニックに陥ります。
情報を精査し、正しい情報を集め、楽観しすぎず、かつ過剰に不安がらず、冷静に判断し行動する。
難しいことですが、これしかありません。