学級づくりには様々な視点がありますが、その一つがルールです。
どのようなルールをどのように作るか、そして、それをいかに徹底するかがポイントです。
学級のルールは、スポーツのルールに似ているところがあります。
激しいスポーツのラグビーでは、タックルは認められていますが、なぐる・けるは許されません。そこには厳しいルールが定められています。
激しいスポーツだからこそ厳しいルールが存在します。厳しいルールによって選手を守る必要があるからです。
「主体的・対話的で深い学び」はアクティブ・ラーニングです。子供たちのアクティブ (能動性)が強く求められる「激しい学び」と言えます。
ですから、「主体的・対話的 で深い学び」を進めるためには、しっかりとしたルールの確立が不可欠です。ルールを確立した学級だけに、アクティブ (能動性)が担保されます。
学習ルール(学習規律)を徹底することが、「主体的・対話的で深い学び」の実現につながります。
たとえば、話し方・聞き方の学習ルール (学習規律)を徹底するために、次のような指導が考えられます。
①理由までワンセットで発言する
②味方にものを言うように発言する
③グループで話し合うときは円になるようにする
④最後まで聞く、助け船を出しながら聞く
⑤話を聞かないと学習が成立しない状況を意図的につくる
・他の子供の意見に対し「同じか」「異なるか」をたずね、その根拠を発表させる
・複数の友達の意見から、自分の意見は誰と同じかを考えさせる。
⑥友達の話を聞きもらさないという行為の価値を伝え、評価する
・友達の意見を完全再現させる
・友達の意見を聞いた後、代理発表させる
・友達の意見についての質問をし、しっかりと答えられた子を評価する「しっかりと友達の意見を聞いているということは、友達を大切にしてるということですね」
⑦不明瞭な友達の説明を、わかりやすく解説する場を設ける
学級のルールは必要ですが、安易に作らないということ、また、細かく決めないことも大切です。
ルールは守らせることが大切です。「守れなくても指導しないこと」があると、 ルールは守らなくてもいいということを子供は学んでしまいます。
ルール指導の大前提は2つあります。
①教師が示すルールと相談して決めるルールを区別する
1、教師が示すルール
・危険なこと・学習用具・学習態度
・暴力は絶対ダメだというルール
「仕返しは正当か」「遊びふざけならいいのか」
2、相談して決めるルール
・クラスのボールの使い方
②なぜルールがあるのかを考える
「交通ルールがなくなったらどうなるか」
「ルールを守ろう」と思える状態は、心が満たされている時です。心が満たされていない場合、ルールを守るどころか不適切な行動をすることで注目を集めようとする子もいます。そんな子には、教師や友達の肯定的な声かけで、自分も認められているんだという安心感を与えたいです。
また、ルールを徹底するためには、「ルールを守るとよいことがあった」「気持ちがよかった」「うまくいった」という「快」の体験と実感も必要です。子供たち「快」を体感し、 教師はそれに対して共に喜ぶという機会を増やしていきたいです。
学級づくりに絶対的な方法も正解もありません。自分に合った方法、子供たちに合った方法を模索していくしかありません。
孤独な作業です。
私は担任時代、GW までは学級づくりはあえてしませんでした。4月は最低限のルール (安全・人権) だけ設け、児童理解と子供一人一人との関係づくりにエネルギーを注ぎました。 その土壌の上で、GW明けから少しずつ学級づくりを進めました。
いろんなやり方があっていいと思います。