十代の頃、はじめて自分の足で訪れた美術館が
倉敷の大原美術館だった。
絵も美術のことも全くわからないけど、
わたしはある作品の前で釘付けになった。
その作品のまわりだけがしんとしている・・・
音のない世界というかすべてが無化されるような。
そんな作品だった。それは
あるもののまえ、ないもののあと・・・
ひきこもって本を読んだり、旅に出たり
学校をやめたり。
その頃の生きるくるしみやさみしさ、混乱と混沌を
ひきうけてくれた、絵だ。
静寂に、耳をすませたことのある人にだけ、
きこえる音がある。
