エイジ新聞・２０２４年７月号

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＊　エイジ新聞・２０２４年７月号　＊

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一大テーマパーク

　首都圏に住んでいながら一度も足を向けたことがなくてもったいないなぁと思っている場所がいくつもありますが、その一つが新橋演舞場。先日『熱海五郎一座』公演を観に初めて行ってきました。今をさかのぼること二十年前、三宅裕司が伊東四朗を座長として立ち上げた軽演劇ユニットが『伊東四朗一座』。伊東氏不在の年は『熱海五郎一座』と名を変え公演を続け、新橋演舞場に進出して今年で10作品目、その記念碑的作品のゲストが伊東四朗というのだから、ファン（電線マンで育ち、上京直後より文化放送『あっぱれ土曜ワイド』を経て現在も毎週『親父熱愛（パッション）』を欠かさず聴取する）としては見のがすわけにはいかないです。コメディの巨匠たちによる力の抜けたお芝居の冴えもさることながら、87歳にして膨大な分量の出番を演じきる伊東氏にはもはや神々しさを感じ、拍手の手が思わず止まり拝んでいる自分がいました。

　ところで全公演ほぼ満席というこのお芝居、平日の昼ということもあったのでしょうけど客席は僕が最年少かと思われるくらいの年齢層。大先輩の皆様がたは昼間こんなところに集まって騒いでいたのですね！で、休憩時間が30分もとってあって、その間にお弁当を食べたり、館内のあちこちに展開される物販場で甘味や記念品を買ったりと…なんなんですかこのシステムは。すっかりうれしくなった僕は売店で弁当を買い求め（あやうく饅頭や手ぬぐいも買いそうになるのを我慢し）「なるほど、幕の内弁当とはまさに！」とひとりで興奮しておりました（※幕の内とは芝居の幕間の意）。

　超高齢化社会に突入してまもなく20年ですが、連日舞台上も客席も高齢者が弾けまくっている新橋演舞場という一大テーマパークを目の当たりにして、まだまだ当分日本もいけるんじゃないの？と若輩者ながら心踊る気分になりました。

　　　　　　　　　6月22日　谷口英治

お芝居のテーマを演奏しています

こちらもお芝居関連ですが、本日より6月30日まで東京新宿の紀伊國屋劇場で上演されている、劇団ラッパ屋40周年記念ラッパ屋第49回公演『七人の墓友』のテーマ曲を谷口が演奏しています。お芝居のオープニングやエンディング、場面転換等のタイミングでクラリネットソロが劇場いっぱいに流れます。ハートフルな大人の喜劇、感想など語り合えたらうれしいです。