六本木で早めに仕事が終わったので、国立新美術館で「マティス 自由なフォルム」を観てきました。美術にとくに明るいわけでもない僕は、印象派黎明期から後期印象派およびその影響を受けた、できれば写実寄りの作品が好きという、ごく無難な感性の持ち主です。たとえば、現在東京都美術館で開催中の「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」なんかがまさにどストライクで、先週行ったばかりですが、開催中にもう一度行きたいと思っています。

 

(※2024年4月7日まで)

 

 で、フォーヴィズムあたりからだんだんついていけなくなってきて、それがモダンアート方向に進路を取り始めるともうからっきしの僕…つまりマティスは黄色信号点灯なのですが、音楽と同じで絵画も実物を前にしたときに血が逆流するという体験を何度もしているので。それにマティス超有名だしー(ただのミーハーだったりもする)。

 

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 知識としては知っていたのですが、マティスも最初は普通の絵からスタートします。数点その実物が見れたのはさすがは美術館です。普通の絵もとても上手でした(あたりまえだろ!)。ところが間もなく色が変になってきて、だんだんぐにゃーとしてきて、どんどんシンボリックになっていき、「こんなの子供でも描けるんじゃないの?」という思い断じてそんなことはないのは理解してますがが頭をもたげないように神経を集中しながら、納得したような表情を顔に貼り付けて順路を進んでいく僕でありました。

 

 

もはやタイトル大喜利じゃん!と心の中でツッコミを入れてしまう

 

 

 ところが、晩年の「ワカメ」だらけの作品群に囲まれるあたりになると、脳内に変なものが分泌されはじめたのでしょうか、なんだか楽しくなってきてしまって あはははは と声に出して笑いたくなるのです。このあたりが、マティスが愛される理由なのかしらん。

 

 

うふふふ

 

 

えへへへ

 

※写真はすべて撮影OKのエリアのものです

 

 盛りだくさんの展示を堪能したあとで特設ショップを冷やかして歩いていると、若者たちが作品がプリントされたグッズを指して「わー、これカワイイ!」とか、絵のモチーフが入った食器を手に「これにオレのクソ料理盛ったら面白くね?」とかはしゃいでいるのが耳に入ってきました。口にするものに「クソ」をつけるのはいかがなものかとは思いましたが、ある意味これも正しいマティスの楽しみ方と言えるのかもなと。僕もこの楽しさをうちに持って帰りたくなって、ポストカードを数点買いました。飾ると部屋が明るくなりそうな気がします。